リスクをテーマとするブログを書いて4年が経ちました―年間の実績を振り返る6―

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要約

2023年4月から2024年3月までの1年間のブログの実績を振り返ってみました。アクセス数や人気記事、記事評価ボタンによる評価などをまとめました。ただしこの間にGoogle Analyticsの仕様が大きく変わり、これまでのようなデータを取得するのが難しくなりました。

本文:ブログ4年経過、最近の1年の実績

2020年4月にブログを開始して4年が経過しました。定期的にアクセス解析を見ながら振り返りをしているので、今回は6回目となるブログの運用について振り返る記事を書きたいと思います。以前の振り返り記事はコチラです。

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「ブログ」の記事一覧です。

2020年度は週2回、2021年度からは週1の更新となり、2023年度は41記事をアップしました。開始4年間で合計では242記事になっています。

この1年のリスクに関するトピックを思い返しましたが大きな事故・事件はあまりなかったように思います。コロナに関しても5類になったことで平常時に戻ってきました。ただし、化学物質ではPFASが大きなトピックとなり、生成AIのリスクなどもよく話題になりました。さらに、2024年の元旦に能登半島地震が発生し、大きな被害が出ています。

以下では、データ分析の中心であるGoogle Analyticsの結果、アクセス上位の記事の紹介、検索エンジンからの評価、個別記事の評価の順で書いていきます。

Google Analyticsから見る本ブログの1年の実績

Google Analyticsでアクセス解析を行っています。これまで使っていたUAが2023年6月で終了し、7月からはGA4に切り替えました。ところが、この二つの仕様はかなり異なっており、これまで通りのデータの取得は難しくなりました。記事ごとのユーザー数やページビューも二つの結果を手動で合計して整理しています。

ユーザー数とページビューの推移は以下のとおりで、2023年度のユニークユーザー数は39942人、ページビューは62002でした。開設後の累積ページビューは184958まで増えました。目指す100万アクセスまでの道のりはまだ遠いですが。。。

user-PV

デバイス別(7月以降のGA4のデータ)に見ていくと、PCから見ている人が38%、モバイルが60%、タブレット端末が2%という割合で、これは2022年度とほぼ変わりありませんでした。検索流入がほとんどなので、モバイルからの閲覧が多いと推定されます。ブラウザ別だとSafariがトップなのでiPhoneから見ている人が多いのでしょう。

次にアクセス元(これも7月以降のGA4のデータ)を見てみましょう。organic search(検索経由)がなんと86%を占めてします。次いでdirect(ブックマークなど)が8%、social(Twitterやfacebookなどのsns経由)が6%です。

ここからは、この1年間のページごとのアクセス数から人気記事を見ていきます。

1位は日本の各種犯罪の被害者と加害者それぞれの男女差をデータで示し、さらに「夜間に1人で歩く際に安全だと感じる比率の男女差」の国際比較も示した記事です。2022年度に引き続いて2年連続でアクセス数トップとなりました。

犯罪リスクの男女差:日本はフェミサイド大国なのか?
日本は男女差別の面で遅れており、犯罪に関してもフェミサイド(性別が女性であることを理由に男性に殺されること)大国などと一部で呼ばれています。性犯罪以外の犯罪については被害者の男女割合は同程度が男性のほうが多くなっていました。ただし、安心感の男女差は諸外国と比較して大きくなっています。

2位は大麻のリスクについて書いた記事です。芸能人が薬物で逮捕されるなどの事件があるたびにアクセスが増え、これも2022年に引き続いて2年連続で2位となりました。

大麻は酒やたばこよりも安全か?リスク比較によって検証する
大麻の死亡リスクを推定したところ「10万人あたりの年間死者数1人」となり、酒「同15.9人」やたばこ「同59.9人」と比較してかなり低いものでしたが、絶対値として無視できるほど低いというわけでもありませんでした。死亡に至らない精神疾患なども考慮したDALYで比較しても、酒やたばことのリスクの差が埋まりませんでした。

3位は2023年から成年年齢が18歳に引き下げられましたがその際になぜ「お酒は18歳から」にならなかったのかを書いた記事です。これも2年連続で3位となりました。

成年年齢の18歳引き下げにともない、なぜ「お酒は18歳から」にならなかったのか?
飲酒開始年齢の根拠はアルコールの有害性などの科学的根拠ではなく「20歳以上は成年であるから」であったため、成年年齢が18歳に引き下げられると自動的に「お酒は18歳からOK」になるはずです。ところが飲酒開始年齢の引き下げに動いた自民党に対して日本医師会が撤回要求をしたため先送りになったようです。

4位は珪藻土製品に含まれるアスベストのリスクについて書いた記事です。長期的に継続してアクセスが高い記事で、これも2年連続で4位です。

珪藻土に混入したアスベストは危険なのか?その2:リスクを計算して比較する
珪藻土バスマット中のアスベストは危険なのかどうかを判断するために発がんリスクを評価しました。ヤスリで削ったり割ってしまった場合でも、もともと存在する自然由来のアスベストの吸入量と比べて二桁以上低くなり、発がんリスクも懸念レベルにないと判断されました。

5位はオリンピックにトランスジェンダー選手が女性として出場するためのルールである「テストステロン10nM」の根拠について書いた記事です。オリンピックが終わってもジェンダーの論争が激しく、継続して高いアクセスがあります。

オリンピックにおける性別確認:テストステロン10nMの基準値のからくり
今回は夏休みのため、通常のブログ記事の更新はお休みします。その代わりに、現在東京オリンピックの最中ということでもあるので、オリンピックにおけるトランスジェンダーを含む女子選手としての出場の基準値(テストステロン濃度10nM)の根拠について書いてみます。これも一種の線引き問題です。

以下、6位から10位まで順にリンクを並べます。

多くの人が間違って使っている言葉「予防原則」について改めて解説します
あまり理解せずに使っている例が多い「予防原則」という考え方についてまとめます。「予防原則」と「予防的アプローチ」と「未然防止」の違いについて、弱いバージョンと強いバージョンの違いについて、リスクトレードオフには対応できないこと、について解説していきます。
有機農業25%の方向性を考える:有機農業と環境リスクの関係
有機農業の推進が政策課題に挙げられていますが、有機農業と環境リスクの関係について解説します。「有機農業=無農薬」ではなく、有機でも使える天然物由来の農薬も、化学合成農薬と同等の毒性があります。有機農業は環境保全に加えて価値観の側面も持っており、リスクの低減とは別に主観的幸福度などの側面で評価したほうが良いのではないかと考えられます。
マイクロプラスチック汚染の本命はタイヤ摩耗塵?~新たなハザード6-PPDキノンとの関係~
マイクロプラスチックの排出源としてのタイヤの重要性を示し、タイヤ摩耗塵の健康・環境影響について整理し、新たなハザードとしての6-PPDキノンについてまとめます。6-PPDキノンはサケに対する影響が強いことから今後要注目です。
オランダの政策評価書から明らかになったネオニコチノイド系殺虫剤禁止後のリスクトレードオフ
欧州でネオニコチノイド系殺虫剤が規制されましたが、その後のリスク低減効果について、オランダが公表した政策評価書の内容を紹介します。規制の当初から指摘されていたこと(ネオニコチノイド系殺虫剤を禁止しても他の農薬に切り替えるだけでリスクは減らない)が現実になったことが明らかとなっています。
マイクロプラスチック問題その3:被覆肥料カプセルの問題はリスクの問題ではない
被覆肥料のプラスチックカプセルの問題について、リスクの視点から全体像を整理しました。被覆肥料由来のマイクロプラスチックの排出は全体の1%以下であり、マイクロプラスチックの生態リスクは現状で懸念レベル以下であることから、リスクの問題というよりはごみ問題として考えるべきです。

内容的には、やはり化学物質系の記事が多くなっていますね。また、上位10記事のうちこの1年に書いた記事は一つもありませんでした。Google先生に認知されて検索流入が増えるまでに時間がかかるので、古い記事のほうがアクセスが多い傾向にあります。

本ブログの検索エンジンからの評価

Bing経由とGoogle経由の集客数の推移を見てみましょう。初期のころは検索経由のアクセスのうちBingのほうが多かったのですが、2022年度からは逆転して現在はGoogle経由が圧倒しています。

organic-search

Google先生から認められると検索上位に表示されるようになり、クリックされる確率も上がります。このためのテクニックとしてSEO(Search Engine Optimization)がありますが、最近はGoogleもSEOのハッキングに素早く対応してくるため、ブログでアクセスを集めるにはとにかくよい記事をたくさん書くしかないという状況になっています。

また、この1年に書いた記事のキーワードを用いてGoogleとBingで実際に何位に出てくるのかを調べてみました(広告を除いた順位):
・「PFAS リスク」はGoogleで表示なし!、Bingで8位
・「飲酒 リスク」はGoogleで表示なし!、Bingで32位
・「AI リスクコミュニケーション」はGoogleで5,11位、Bingで2,3,6位
・「安全と安心 違い」はGoogleで22位、Bingで2位
・「BMI 基準値」はGoogleもBingも表示なし!

2022年度の解析ではGoogleとBingはほぼ同様の評価(表示順位)でしたが、2023年度の解析では全体的にBingのほうが表示順位が上で、Google先生からの評価が下がってしまったように思います。

次に、Google Search Consoleで調べられる検索キーワード(クリック数5回以上の検索のみ)をテキストマイニングにかけて単語登場頻度を解析すると以下のようになります。以前に上位を占めていたコロナ関連のワードはほとんどなくなり、代わりに大麻、酒、タバコ、犯罪、男女(性別)、農薬などのワードが上位になりました。

順位キーワード頻度
1大麻112
2犯罪47
3タバコ47
4男女46
539
629
7飲酒19
8危険16
9献血16
10珪藻土15
11どっち14
12違い14
13被害11
14アルコール10
15原則10
16性別10
17農薬10
18リスク9
19依存9
20ネオニコチノイド9

個別記事の評価

個別記事の評価ツールについては、記事に対して「いいね」をつける機能「WP-PostRatings」を実装しています。この1年間でいいねがついた数は398回でした。2022年度のいいね数は300でしたので増えています。

そして、2023年度書いた記事の中でいいねがもっとも多くついた記事はコレです。リスク低減対策はその効果よりも目立つ・わかりやすい・話題になるなどの対策のほうが好まれる傾向があるため、なにもしないほうがマシな場合であってもよけいなことをやってしまうのが「なにかしなくちゃ症候群」です。

なにかしなくちゃ症候群:効果がある対策よりも目立つ対策が好まれる
リスクは一般的に目に見えにくい性質があるため、リスク低減対策はその効果よりも目立つ、わかりやすい、話題になるなどの対策が好まれる傾向があります。そのような目立つ対策に飛びついてしまう「なにかしなくちゃ症候群」の中で、効果がないことをわかりつつあえて行う「確信犯」の存在に注目します。

また、もっとも評価率(いいね数/アクセス数)が高かった記事は以下の記事で、15%という高い評価率でした。小林製薬が製造した紅麹サプリメントによる腎臓疾患が報告されましたが、腎臓病を引き起こした類似の事例として、ヨーロッパのバルカン地方で発生した謎の腎臓病の原因物質を特定するに至るまでの興味深い出来事を紹介しました。

天然物による健康影響は原因特定が難しい:謎の腎臓病を引き起こした物質の事例
小林製薬が製造した紅麹サプリメントによる腎臓疾患が報告されましたが、天然物による健康影響は原因物質の特定が非常に困難です。腎臓病を引き起こした類似の事例として、ヨーロッパのバルカン地方で発生した謎の腎臓病の原因物質を特定するに至るまでの興味深い出来事を紹介します。

以前はX(元Twitter)でブログ紹介記事のエンゲージメントも測定していましたが、XのAPIが使えなくなったことでXに使う頻度が下がってしまいました。ということで計測もお休みしています。

ブログの今後の運用

ブログの運用としてはこれまで通り、基本的に週1回の更新ペースを維持していく予定です。ただし、年々ブログを書くための時間がとれなくなりつつあり、年間35記事程度を目標にします。

リスクのものさしを表示するwebアプリケーション「RiskTools(ブログのヘッダメニューかにリンクがあります)」を公開していますが、この改良も続けたいと思いつつこの1年では進みませんでした。主に自宅での開発環境の変化の影響が大きいのですが、現時点も見通しが立っていない状況です。

また、Google Analyticsの仕様変更により、これまでのようなデータがとれなくなり、ブログの実績の計測についても考え直す必要があります。

まとめ:ブログ4年経過、最近の1年の実績

年間のページビューは6万、累積ページビューは18万まで増えました。ただし、Google Analyticsの仕様が大きく変わり、これまでのようなデータを取得するのが難しくなっています。人気がある記事はほぼ変化しておらず、全体的に化学物質関係の記事が人気です。また、アクセス数やGoogle先生からの評価は増加傾向が止まりつつあります。

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