リスクをテーマとするブログを書いて1年半が経ちました―半年間の実績を振り返る3―

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要約

2021年4月から2021年9月までの半年間のブログの実績をGoogle Analyticsのデータを中心に振り返ってみます。また、検索エンジン対策としてGoogleでの検索表示を調べました。さらに、個別記事の評価についてはこれまでのアクセス数に加えて、記事評価ボタンによる評価やTwitterでの反応など多角的な評価をします。

本文:ブログ1年半経過、最近の半年の実績

ブログを開始して1年半となりました。半年ごとにアクセスのデータを見ながら振り返りをしているので、今回は3回目となるブログの運用について振り返る記事を書きたいと思います。以前の振り返り記事はコチラです。

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「ブログ」の記事一覧です。

2020年度の1年間は週に2回記事を書いていましたが、2021年度からは週1の更新となり、これまでに全部で127記事をアップしました。週1にした分だけ1記事の文字数が増えており、以前は平均4000文字程度であったのが、この半年は平均5000字を超えてしまっています。

この半年のリスクに関するトピックと言えば、圧倒的にコロナウイルスとコロナワクチンであったと言えます。ほとんどの期間がコロナ感染拡大による緊急事態宣言下にあり、ワクチンの接種もピークとなりました。そのような中でオリンピックが開催されたり、ロックフェスが開催されたりして批判の声が高まりました。コロナ禍におけるオリンピックやロックフェスに関してもいくつか記事にしています。

そのほかには、リスクマネジメントの勉強を兼ねてリスク学文脈との違いに注目しながらシリーズ記事を書きました。これも予想通りアクセス的には爆死しましたが、非常に良い勉強になりました。同時にニーズの高い化学物質系の記事も織り交ぜ、全体としてバランスをとって記事を書いてきました。

半年前の報告にて、新たな取り組みとしてTwitterとの連携やリスク評価を身近にするWEBアプリケーションの開発を課題にしました。Twitterの方はデータを取っていますので後の方で紹介します。WEBアプリについては予定よりかなり遅れていますが開発は少しずつ進めています。

以下では、データ分析の中心であるGoogle Analyticsの結果、アクセス上位の記事の紹介、Google先生からの評価がどうなったか、個別記事の評価の順で書いていきます。

Google Analyticsから見る本ブログの半年の実績

Google Analyticsでアクセス解析を行っています。基本データは以下の通りで、月間ユニークユーザー数は1200人程度で推移しており、2020年度下半期(マイクロプラスチックの記事がバズった2月を除く)と比べると1.5倍くらいになっています。ページビューはユーザー数の倍くらいになってますね。

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デバイス別に見ていくと、PCから見ている人が63%、モバイルが35%、タブレット端末が2%という割合になりました。これも2020年度下半期(マイクロプラスチックの記事がバズった2月を除く)と比べると、モバイルでの閲覧が増えてきています。直帰率(1回の訪問で1記事だけ見る人)はPCが79%・モバイルが87%とPCの方が低いので、PC経由の人の方がじっくり読んで頂けているようです。

次にアクセス元を見てみましょう。organic search(検索経由)が71%、次いでsocial(Twitterやfacebookなどのsns経由)が15%で、残りがdirect(ブックマークなど)の12%とreferral(snsや検索サイト以外のwebサイトからのリンク)の2%です。検索経由の割合はどんどん上昇しており、最近1か月では80%を超えています。

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ここからは、この半年間のページごとのアクセス数から人気記事を見ていきます。

アクセス数のトップは、ソーシャルディスタンスはなぜ「2m」かという「からくり」を書いた記事です。2020年度上半期で1位、下半期で2位、そして2021年度上半期でまた1位に返り咲きました。特にコロナ感染の第4波、第5波の際にアクセスが伸びました。ただし、デルタ株の登場やエアロゾル感染の状況がだいぶわかってきたことなどで、情報としては少々古くなってしまいました。

何メートル離れれば安全なのか?ソーシャルディスタンスのからくり
ソーシャルディスタンスの距離は、ニュージーランドとイギリスで2m、米国では1.8m、オーストラリアで1.5m、シンガポールで1mです。日本ではマスクなしで2m、マスクありで1mです。この差は科学的な根拠に基づくものではなく、それぞれ科学と現実の狭間から生まれたものであろうと推測されます。

2位は、2020年の年末に話題となった珪藻土製品中アスベストが基準値を超えて検出された問題を解説した記事です。実際にリスクを評価して健康影響の懸念がないことを示しました。すでに問題としては収束していますが、アクセスはむしろ伸びてきています。ちなみに2020年度下半期では5位でした。

珪藻土に混入したアスベストは危険なのか?その2:リスクを計算して比較する
珪藻土バスマット中のアスベストは危険なのかどうかを判断するために発がんリスクを評価しました。ヤスリで削ったり割ってしまった場合でも、もともと存在する自然由来のアスベストの吸入量と比べて二桁以上低くなり、発がんリスクも懸念レベルにないと判断されました。

3位は、2020年度下半期に1位となったマイクロプラスチックの記事で、学術会議の報告書を批判的に紹介したものです。2月にバズった後もよく読まれているようです。

学術会議の提言から読み解くマイクロプラスチック問題のからくり
日本学術会議が2020年4月に公表したマイクロプラスチックに関する提言の内容をまとめて紹介します。マイクロプラスチック汚染が進んでいる現状と、生海洋物やヒト健康への影響を懸念する内容ですが、リスク学的な視点からはツッコミどころも多いです。リスク評価がないままに悪いものと印象付けていると感じます。

4位は、農林水産省の「みどりの食糧システム戦略」における化学農薬の使用量をリスク換算で50%減という政策目標について解説した記事です。この戦略は有機農業25%という野心的な目標を掲げており、農家の方にとって大きな影響があるのではと注目(警戒?)されています。

みどりの食糧システム戦略における「化学農薬(リスク換算)50%減」を解説します
農林水産省の「みどりの食糧システム戦略」では、2050年までに化学農薬の使用量をリスク換算で50%減という政策目標を打ち立てました。このリスク換算の方法として、毒性の強さを示すADI(許容一日摂取量)を使ってリスク係数を求めて使用量を重みづけしていく方向性が出されました。

5位は、オランダが公表した政策評価書において、ネオニコチノイド系農薬を禁止してもリスクが減っていないことを報告した内容を紹介した記事です。化学物質の規制にはリスクトレードオフの考慮が必須です。

オランダの政策評価書から明らかになったネオニコチノイド系殺虫剤禁止後のリスクトレードオフ
欧州でネオニコチノイド系殺虫剤が規制されましたが、その後のリスク低減効果について、オランダが公表した政策評価書の内容を紹介します。規制の当初から指摘されていたこと(ネオニコチノイド系殺虫剤を禁止しても他の農薬に切り替えるだけでリスクは減らない)が現実になったことが明らかとなっています。

上位3位までが、この半年に書いた記事ではないことは反省すべき点です。これはすなわちこの半年は上位3つのテッパン記事を超えるキラーコンテンツを生み出せていないということだからです。

以下、6位から10位まで順にリンクを並べます。

オリンピックにおける性別確認:テストステロン10nMの基準値のからくり
今回は夏休みのため、通常のブログ記事の更新はお休みします。その代わりに、現在東京オリンピックの最中ということでもあるので、オリンピックにおけるトランスジェンダーを含む女子選手としての出場の基準値(テストステロン濃度10nM)の根拠について書いてみます。これも一種の線引き問題です。
海洋放出する原発処理水中トリチウムの基準値1500Bq/Lは風評被害を防止するための基準値なのか?
原発事故後の処理水を海洋放出する際に、消費者の懸念を少しでも払拭して風評影響を最大限抑制するための放出方法として、処理水中トリチウムを1500Bq/L以下にすると決まりました。この数字の根拠を探ったところ、リスクベースで決まった値であり、本来以上に安全側に立った基準というわけではないことがわかりました。
2020年コロナ禍は日本の死亡リスクのトレンドにどのような影響を与えたか?
2020年の人口動態統計の死因別死者数が公開されました。インフルエンや肺炎などの呼吸器系疾患が大きく減少し、交通事故や火災などの不慮の事故も目立って減少しました。時期的には、2020年の前半が特に平年よりも死者数が減少しています。超過死亡数の国際比較についてもみていきます。
確率で書くとわかりにくいのでやめよう!その4:ワクチンの有効率・副作用と分母無視の法則
確率で書くとわかりにくい例として「ワクチンの有効性95%」や、分母を無視して判断を誤りやすい例として「ワクチン接種後に〇〇人死亡」について解説します。確率よりも頻度で示したほうがわかりやすくなりますが、頻度であっても分母を揃えて比較しないと容易に判断を誤ります。
大麻は酒やたばこよりも安全か?リスク比較によって検証する
大麻の死亡リスクを推定したところ「10万人あたりの年間死者数1人」となり、酒「同15.9人」やたばこ「同59.9人」と比較してかなり低いものでしたが、絶対値として無視できるほど低いというわけでもありませんでした。死亡に至らない精神疾患なども考慮したDALYで比較しても、酒やたばことのリスクの差が埋まりませんでした。

10位まで並べると、上位10記事のうち5つがこの半年に書いた記事になります。内容的には、やはり化学物質系の記事が多くなっていますね。テストステロンも化学物質に含めれば7/10が化学物質の記事で占められています。

意外と人気だったのが6位になったトランスジェンダーの女子選手としての出場基準の話です。リスクと関係ありませんが、オリンピック効果ですね。一番よくわからないのが10位になった大麻のリスク比較の記事です。書いた当初はほとんどアクセスがありませんでしたが、最近になってどんどん伸びてきました。たぶん芸能人逮捕のニュースがあるたびに検索されているのでしょう。

本ブログのGoogle先生からの評価

2020年度上半期では本ブログはGoogle先生から完全に「無視」されている状況でした。検索経由のほとんどはBing経由だったのです。2020年度下半期から少しずつGoogle先生から認知されるようになってきました。その後についてBing経由とGoogle経由のアクセス数の推移を見てみましょう。

graph-search

この半年でGoogle経由のアクセスがかなり増加し、検索経由のアクセスのうちBingが54%、Googleが36%、残り10%がYAHOOやduckduckgoでした。2021年7月にはGoogle経由がBing経由を抜きそうでしたがその後また差が開いています。Google先生からはかなり認めてもらえるようになったと言って良いでしょう。

また、Bing経由ではソーシャルディスタンス関係の検索ワードで来る人が多いようで、Googleはそれと異なって珪藻土中アスベスト関係の検索ワードが多いようです。

そこで、この半年に書いた記事のキーワードを用いて実際に何位に出てくるのかを調べてみました:
・「テストステロン 10nM」はGoogleで1位、Bingで1位
・「農薬 リスク換算」はGoogleで3位、Bingで1位
・「ネオニコチノイド リスク」はGoogleで18位、Bingでは出てこない
・「リスク比較」はGoogleで1位、Bingでは出てこない

Googleでもかなり良い位置に出てきているのがわかりますね。「テストステロン 10nM」がGoogleでもBingでも1位というのはさすがにびっくりです。もう一つうれしい結果はGoogleの「リスク比較」の検索で本ブログの以下の記事が1位で出てくることです。かなり良い記事だと思っているのですがアクセスはあまり伸びませんでした。

リスク比較の手法は示す相手や目的に依存する―相手・目的にあったリスク比較を行うポイント
リスク比較を行う際に重要なことは、まず比較を示す相手と示す目的を整理することです。どの指標を使うか?どの方法を使うか?どこまで細かくやるか?何と何を比較するか?などは、比較を示す相手や比較を示す目的に大きく依存します。このことを交通事故のリスクを例にして説明していきます。

今後もGoogleで上位に表示されるように良い記事をたくさん書いていきます。

個別記事の評価

以前に、WEBによる情報発信の効果の測定方法についての記事の中で個別記事の評価ツール(reaction buttons)を導入したことを書きました。

リスクコミュニケーションの成功・失敗とは何か?その1:WEBによる情報発信の効果の測定方法
リスクコミュニケーションが成功した・失敗したなどと語られることがありますが、何をもって成功・失敗と言うのでしょうか?WEBによる情報発信を例にして、計測によってその効果を評価する方法を紹介します。ユーザーによる評価、A/Bテストによる表現方法の違いの評価、SNSを用いた情報発信後の反応を計測する方法を活用します。

この記事の最後にも設置されていますが、記事のわかりやすさ、有用性、信頼性という3つの評価軸で評価できるようになっています。

執筆時点において合計73回評価ボタンが押されました(試しに自分でポチポチやってしまったのも含んでいますが)。7/12に設置して9月末までのページビューは5933なので、評価回数をページビューで割った評価率は1.2%でした。だいたい1%程度かと想定していたので、想定通りですね。

全体では以下のように、わかりやすいという評価が多くなっています。
・わかりやすいvsわかりにくいは27対5
・役に立つvs役に立たないは20対5
・筆者は信頼できるvs筆者は信頼できないは11対5

評価ボタンを押した人が最も多く、かつ最も良い評価を得た記事はコレです↓

リスク許容度から考えるオリンピックとロック・イン・ジャパン・フェスティバルとこんにゃくゼリーの共通点とは何か?
サッカーEURO選手権や野球のオールスターで満員の観客を入れている欧米よりもコロナの感染者数や死者数が抑えられている日本でのオリンピックは無観客となりました。オリンピックや中止に追い込まれた日本のロックフェスの共通点を、やはりリスクに関して批判の矛先が集中したこんにゃくゼリーも含めて考えてみました。

次に以下の記事です↓

オリンピックにおける性別確認:テストステロン10nMの基準値のからくり
今回は夏休みのため、通常のブログ記事の更新はお休みします。その代わりに、現在東京オリンピックの最中ということでもあるので、オリンピックにおけるトランスジェンダーを含む女子選手としての出場の基準値(テストステロン濃度10nM)の根拠について書いてみます。これも一種の線引き問題です。

3位は同点で二つの記事が並びました↓

リスク・ホメオスタシス理論で考えるコロナ感染者数が増減を繰り返す理由
リスクホメオスタシス理論は交通安全分野で生まれた概念で、安全対策を採った分だけ危険な行動が増加するため結果としてリスクはあまり変わらないという理論です。この理論を用いてコロナ感染者数が何度も増減を繰り返す理由を考えます。集団の中のリスク許容度の差が大きいことが重要になってきます。
珪藻土に混入したアスベストは危険なのか?その2:リスクを計算して比較する
珪藻土バスマット中のアスベストは危険なのかどうかを判断するために発がんリスクを評価しました。ヤスリで削ったり割ってしまった場合でも、もともと存在する自然由来のアスベストの吸入量と比べて二桁以上低くなり、発がんリスクも懸念レベルにないと判断されました。

(2021年10月17日追記:記事の評価は利便性向上のため、reaction buttonsからWP-postratingsに変更し、シンプルないいね!ボタンを押すだけの機能にしました。)

さらに情報発信の効果の測定方法についての記事の中では、Twitterでブログ記事を紹介してリンクを貼りましょうと書きました。最近ブログにTwitterのタイムラインも表示されるようになっています。Twitterアナリティクスというツールでさらに情報の広がり具合を解析できます。ここではエンゲージメントという指標に注目します。

エンゲージメント総数=いいね数+リツイート数+返信数+フォロー数+URLのクリック数

ブログの新規更新を紹介するツイートでエンゲージメントが多かった記事トップ3を挙げてみます。

オランダの政策評価書から明らかになったネオニコチノイド系殺虫剤禁止後のリスクトレードオフ
欧州でネオニコチノイド系殺虫剤が規制されましたが、その後のリスク低減効果について、オランダが公表した政策評価書の内容を紹介します。規制の当初から指摘されていたこと(ネオニコチノイド系殺虫剤を禁止しても他の農薬に切り替えるだけでリスクは減らない)が現実になったことが明らかとなっています。
米国のメンソールたばこの禁止は「健康格差是正」という新たなロジックに基づくものである
米国でメンソールたばこが禁止される方向に進んでいますが、これは単純にメンソールたばこによる健康被害があるからというよりは、健康格差の是正という新たな規制のロジックに基づいています。これはたばこ自体に手をつけずにメンソールだけを狙い撃ちするために考え出されたロジックと考えられます。
オリンピック賛成・反対の世論の変化はその時点の感染状況の推移と関係している
Google Trends、YAHOO知恵袋、ツイッターの3つのツールを用いて、オリンピック中止か開催かの人々の気持ちの変化を探ってみました。人々はオリンピック開催に伴うリスクを判断しているというよりも、その時の感染状況をオリンピックのリスクに置き換えて判断している、という傾向がわかりました。

これらの記事はブログ記事へ飛ぶURLのクリック数も多くなっています。このように、アクセス数だけで評価するのに比べてまた違った面から評価ができるようになりました。

まとめ:ブログ1年半経過、最近の半年の実績

この半年で着実にGoogle先生からの評価も上がっており、検索で上位表示されるようになってきました。本ブログのアクセスの7割は検索経由であるため、検索エンジン対策は最も重要になります。個別記事の評価については、これまではアクセス数だけでしたが、記事評価ボタンによる評価、Twitterでの反応(エンゲージメント)など多角的な評価ができるようになりました。次回また半年後に実績を報告します。

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