基準値問題

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BMIの基準値のからくりその2:BMIと死亡率の関係

BMIと死亡率の関係はU字型のカーブとなり、やせでも肥満でも死亡率が高くなりますが、標準体重(BMI22)よりも多少肥満よりで死亡率が低くなります。肥満の死亡率が低くなる「肥満のパラドックス」とやせの死亡率が高いことについて、いくつかの研究を紹介しながら深掘りしてみます。
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BMIの基準値のからくりその1:BMIの起源と標準体重の決め方

線引き問題の一つとして、肥満の指標となるBMI(Body Mass Index)をめぐる基準値問題に着目します。BMIの起源や問題点、肥満の線引き、BMIに代わる指標やメタボ診断の基準などについて整理していきます。BMIの使用には人種・性別・年代・筋肉量・皮下脂肪と内臓脂肪の区別などの考慮に課題や問題があります。
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排水基準と環境基準の関係:原発処理水と事業所排水の考え方の違いに注目

排水基準と環境基準の関係について、原発処理水と事業所排水ではその考え方に大きな違いがあります。原発処理水の排水基準は飲んでも問題なレベルとしてトリチウム1500Bq/Lが設定されていますが、事業所排水では飲めるレベルにまで処理する必要はなく、放出された環境中で希釈された後に飲めるレベルになっていることが求められます。
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有機フッ素化合物PFASのリスクその1:米国のPFOS・PFOAの規制強化の根拠は免疫力の低下

世界的な規制強化の流れにある有機フッ素化合物PFASについて複数回にわたり解説します。その1では、PFOS・PFOAの米国の飲料水新基準値案に焦点をあてて解説します。有害性評価ではワクチン抗体価の減少というあまり見なれないエンドポイントを採用しています。
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新型コロナウイルス対策をめぐる基準値のからくり~まとめ記事~

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策に関する各種線引き問題の「まとめ記事」。ソーシャルディスタンス、ステージ区分、職場復帰までの日数、相談・受診の目安日数、換気の基準、濃厚接触の基準、飛沫感染・エアロゾル感染・空気感染の線引きなどをまとめています。
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感染防止のための献血制限の基準値:同性愛差別と血液不足との二つのリスクトレードオフ

感染防止のための献血制限の基準値として、狂牛病を発端とする英国滞在歴のある人の献血制限(1ヵ月)、日本の男性同性愛者の献血制限(6ヵ月)、米国の男性同性愛者の献血制限(3ヵ月、ただし見直し中)についてまとめます。数字の根拠はどの事例も大変興味深いものです。
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飛沫感染・飛沫核感染・マイクロ飛沫感染・エアロゾル感染・空気感染などの定義は日本と海外で大きく異なる

日本の感染研がようやくコロナのエアロゾル感染を認めたというニュースがありましたが、飛沫感染・飛沫核感染・マイクロ飛沫感染・エアロゾル感染・空気感染などのややこしい線引きについて、なるべく国内外の公的機関が記載する定義を集めて並べてみたところ、日本と海外の違いがよくわかるようになりました。
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成年年齢の18歳引き下げにともない、なぜ「お酒は18歳から」にならなかったのか?

飲酒開始年齢の根拠はアルコールの有害性などの科学的根拠ではなく「20歳以上は成年であるから」であったため、成年年齢が18歳に引き下げられると自動的に「お酒は18歳からOK」になるはずです。ところが飲酒開始年齢の引き下げに動いた自民党に対して日本医師会が撤回要求をしたため先送りになったようです。
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コロナ濃厚接触者の定義「15分ルール」のからくり―給食14分ルールは安全か?

コロナ感染者が出た際に濃厚接触者の認定を避けるため、学校現場では給食を15分以内に食べなければいけない、15分ごとに座席を離れていったん距離をとる、などのトンデモルール実施されています。濃厚接触者の定義である「15分ルール」が設定された根拠について解説します。
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根拠はないが役に立つ―コロナ対策としての換気の基準値CO2-1000ppm

コロナ対策としての換気の基準値CO2-1000ppmは、もともとあった換気の基準値をそのまま使ったものなので感染防止のエビデンスはありませんが、換気のための総合指標として役に立ちます。そのもともとの1000ppmの根拠は、CO2以外の汚染源も考慮して室内空気質の総合指標として決められたものです。