2021-03

SNS定点観測

2021年2月の「リスクコミュニケーション」を分析してわかったこと~SNS定点観測結果24~

リスクコミュニケーションに関するツイート・ニュースを解析しています。2021年2月はコロナウイルスへの感染やワクチンに関するリスコミの話題は依然として高い注目を集めています。それに加えて、東日本大震災から10年を節目を迎え、原発事故や放射性物資のリスコミについての話題も多くなりました。
化学物質

有機農業25%の方向性を考える:有機農業と環境リスクの関係

有機農業の推進が政策課題に挙げられていますが、有機農業と環境リスクの関係について解説します。「有機農業=無農薬」ではなく、有機でも使える天然物由来の農薬も、化学合成農薬と同等の毒性があります。有機農業は環境保全に加えて価値観の側面も持っており、リスクの低減とは別に主観的幸福度などの側面で評価したほうが良いのではないかと考えられます。
基準値問題

東日本大震災から10年。放射性物質のリスク評価・管理を振り返る:その2 リスク管理をめぐる3つのポイント

放射性物質のリスク管理では、内部被ばくと外部被ばくは別々に管理されており、全体の許容量があいまいなままになっています。また、許容量はリスクベースではなくALARA(As Low As Reasonably Achievable, 合理的に達成可能な限り低く)の原則で決まっており、何をもってALARAかという説明が不十分でした。さらに、検査の意味もリスク評価のためではなく基準値以上の食品をはじくことに意義を求めすぎてしまいました。
基準値問題

東日本大震災から10年。放射性物質のリスク評価・管理を振り返る:その1 リスク評価編

東日本大震災による原発事故後の放射性物質の許容量と基準値の根拠について整理しました。緊急時と平常時、内部被ばくと外部被ばくという軸の組み合わせで4つの許容量があり、それぞれ別々のロジックにて決まっています。許容量が決まれば後は、実効線量換算係数などのパラメータを使って食品中濃度に換算することで、食品中放射性物質の基準値が決まります。
SNS定点観測

2021年2月の「リスク」を分析しました~SNS定点観測結果23~

Google検索履歴やTwitter、YAHOO!知恵袋を用いて「リスク」のトレンドを定点調査しています。2021年2月の調査結果からは、ビジネス関連のリスク、コロナ持続化補助金、コロナ禍だけど〇〇に行ってよいか?もの、コロナが気になりつつも経済を回そうという動き、等が目立ちました。
リスクコミュニケーション

マーケティングの手法を取り入れたリスクコミュニケーション:EFSAの最新レポートを紹介します

EFSA(欧州食品安全機関)が最近公表した「リスクコミュニケーションの今後の方向性」に関するレポートを紹介します。マーケティングの手法を用いて情報の受け手を3つのレベル(エントリー、インフォームド、テクニカル)に分類し、それぞれの層に対して適切な難易度のメッセージを、適切なチャネルを通して届けるという方向性が示されています。
リスクコミュニケーション

「〇〇にリスコミの専門家がいれば、、、」という声が「〇〇にリスコミの専門家がいるのになぜ、、、」という声に変わる理由

組織にリスコミの専門家が入るだけでは上手くいかないのは(1)大きな組織ほどヒエラルキー構造が強く専門家の意見が反映されにくい、(2)リスコミを活用しようとする組織への変革が追いついていない、という理由が考えられます。そして現在のリスコミ人材の育成は、組織・現場のことをよく知る関係者のリスコミ能力を高める方向に進んでいます。
幸福

2020年コロナ禍にて死者数は減少(主に高齢者に恩恵)し、幸福度も減少(主に若者と女性に損害)した

2020年の日本ではコロナ禍で逆に全体の死者数が減少しました(主に高齢者に恩恵)。一方で、コロナ禍の中でも特に若者と女性は、学校・仕事・社会経済などの劇的な変化を受けて幸福度が減少し、自殺者数も増加しました。世代・性別により恩恵と損害を受けた層が違っています。