2021年2月の「リスク」を分析しました~SNS定点観測結果23~

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要約

Google検索履歴やTwitter、YAHOO!知恵袋を用いて「リスク」のトレンドを定点調査しています。2021年2月の調査結果からは、ビジネス関連のリスク、コロナ持続化補助金、コロナ禍だけど〇〇に行ってよいか?もの、コロナが気になりつつも経済を回そうという動き、等が目立ちました。

本文:2021年2月のリスク

Google検索履歴やTwitter、YAHOO!知恵袋などを対象としてソーシャルリスニングを行い、今人々がどんなリスクに注目していたり不安を持っているかを調査しています。方法については2020年3月の調査結果をご覧ください。

2020年3月の「リスク」を分析しました~SNS定点観測結果1~
人々の生の声をSNS等から収集するソーシャルリスニングとして、Google検索履歴やTwitter、YAHOO!知恵袋を用いて「リスク」のトレンドを定点調査しています。2020年3月の調査結果からは、このコロナウイルス蔓延のご時世に〇〇しても大丈夫か?という行動の可否の判断にとても高い情報ニーズがあることが浮かび上がってきました。

本記事では定点調査として2021年2月にどんな「リスク」に焦点があてられたかを分析してみました。

Google Trends

Google トレンド

2021年2月の期間内で「リスク」とともにどんなキーワードが検索されているかを調べ、関連キーワードの注目度(検索数が増えたもの)トップ10を抜き出しました(今月は全部で7つのみ)。

順位キーワードトピック
1感染 リスク 看護計画医療
2リスクモンスタービジネス
3仮想通貨 リスク金融
4リスクヘッジ 意味ビジネス
5低感染リスク型ビジネス枠コロナ
6リスクヘッジビジネス
7リスクアセスメント とはリスク一般

「感染 リスク 看護計画」というのがトップにきました。内容はよくわからなかったのですが、看護師の国家試験がちょうど2月にあったので、勉強として調べていた人が多かったのかもしれません。

他はいつものビジネス関係が多くなりましたが、「低感染リスク型ビジネス枠」というワードが珍しいものでした。これは、令和2年度補正予算枠にコロナ持続化補助金の一つに「低感染リスク型ビジネス枠」というものができたためです。小規模事業者がポストコロナ社会に対応したビジネスモデルへの転換に取り組む費用の一部を支援するものです。例えば、ビジネスのオンライン化や店舗の感染防止対策などに活用できます。

YAHOO!知恵袋

Yahoo!知恵袋 - みんなの知恵共有サービス
Yahoo!知恵袋はみんなでつくる便利でうれしい知恵の共有サービス。参加している方がお互いに知恵や知識をQ&Aで共有できるサイトです。

2021年2月の期間内で「リスク」を含む質問のうち、閲覧数が多かったトップ10を抽出しました。

順位カテゴリトピック要約
1映画コロナ映画館に行ってよいか?
2アナウンサー不倫桑子アナの不倫スキャンダルの相手はなぜ身バレリスクを背負って告発したのか?
3恋愛相談性行為彼氏が避妊をしてくれない
4地震自然災害南海トラフ地震は来ることがわかっているのに、甚大な被害が出ると予想されている地域の人はなぜ移住しないのか?
5結婚コロナ緊急事態宣言下で結婚式を開催しないでほしい
6資産運用、投資信託、NISA投資投資信託で長期運用したいが途中で償還するリスクが気になる
7家族関係の悩み住宅ローン高額な住宅ローンを組ませようとする専業主婦は離婚リスクを考えるべき
8大学受験受験就職難の中で奨学金(借金)を返せるかどうか不安で、学費の安い大学を受験しなおしたいが、進路変更はリスクが伴う
9温泉コロナ温泉に行ってよいか?
10子育ての悩みコロナディズニーランドに行ってよいか?

コロナ関連の相談が第3波の感染拡大とともにまた増えてきており、2月はトップ10のうち4つがコロナ関連となりました。いつも通り「〇〇に行ってよいか?」ものが多いです。今回は映画、温泉、ディズニーランドでした。結婚式に呼ばないでくれ、というのもありました。

コロナ関連以外では、男女関係もの、自然災害、投資・住宅ローンなどの金融もの、受験の相談でした。自然災害も危険地域からの移住の話ですし、投資も20年などの長期投資の話なので、ほぼほぼこの辺は「人生リスク」というくくりになると思います。こういうのもいずれ整理してみたいとは思っています。

Twitter

https://twitter.com/ 2021年2月の間につぶやかれた「リスク」を含む1万ツイートを毎週収集し、リスク関連単語の使用頻度ランキングを作成しました。ワードクラウドと表で表します。

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表には先月順位との比較を示しており、先月より順位が上がった(もしくは100位以下から新たにランク入り)ものは青(10位以上上がったものは濃い青)、順位が下がったものは赤で塗りつぶしています(10位以上下がったものは濃い赤)。

トップ10のうち9位までが先月のトップ10とかぶっていました。この辺は鉄板のワードになっています。ただし、その下を見ると、重症というワードが順位を大きく下げ、お金・株・ブログなどお金儲け関係のワードが急上昇しています。緊急事態宣言も解除されていないのに、ちょっと感染者数が減るとすぐに経済経済になります。こういうダイナミックな動きが見られるのがツイッターの面白いところです。

また、「女性」というワードが圏外からのランクインで、オリンピックの問題(森氏による女性差別発言とその後のゴタゴタ)が関係していそうです。

次に属性による違いを見ていきます。1月は感染拡大のピーク時であったため、どの属性でもコロナ感染で埋め尽くされていましたが、2月に入り感染数が減るとすぐにサラリーマンは「投資」、主婦は「副業」、学生は「意識」という鉄板ワードが復活し、コロナ関連ワードは吹っ飛んでしまいました。

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ニュースとブログ

2020年6月からNewsAPIというツールを使って「リスク」に関するニュースやブログのウオッチを開始し、8月からはYAHOOニュースについて定点観測を続けています。NewsAPIについての説明は6月の調査結果をご覧ください。

2020年6月の「リスク」を分析しました~SNS定点観測結果7~
Google検索履歴やTwitter、YAHOO!知恵袋を用いて「リスク」のトレンドを定点調査しています。2020年6月の調査結果からは、コロナ関連の話題は現減少を続け、人々の意識が経済優先に傾いていることがわかりました。各種の行動をとってもよいかどうかの判断基準については引き続き高い情報ニーズがありますが、対応する情報提供がないままです。

2021年2月は27件の「リスク」を含むニュースがYAHOOから配信されました。これらの要約のテキストマイニングから得られたワードクラウドと、ツイッターとの単語頻度ランキングの比較を以下に示します。

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東京オリンピック、ワクチン、変異株などのワードが大きくなりました。この3つは次なるコロナ恐怖喚起の材料になっていますね。変わったものとしては、Clubhouseなるワードも出てきて新鮮ですね(まだ未体験です)。ツイッターとの比較で見ると、変異株、東京オリンピック関連、緊急事態宣言延長などの話題はツイッターでは全く出てきていません。

まとめ:2021年2月のリスク

2021年2月のリスクの解析の結果、Googleの検索履歴ではビジネス関連のワードが多く、YAHOO!知恵袋ではコロナ禍だけど〇〇に行ってよいか?という相談もの、ツイッターではコロナが気になりつつも経済関連の話題が増加していることがわかりました。ツイッターの動きは非常にダイナミックで、感染数が少し下がるとあっという間に油断して経済を回そうという方向に人々の気持ちが動く様子が見て取れます。

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