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オランダの政策評価書から明らかになったネオニコチノイド系殺虫剤禁止後のリスクトレードオフ

欧州でネオニコチノイド系殺虫剤が規制されましたが、その後のリスク低減効果について、オランダが公表した政策評価書の内容を紹介します。規制の当初から指摘されていたこと(ネオニコチノイド系殺虫剤を禁止しても他の農薬に切り替えるだけでリスクは減らない)が現実になったことが明らかとなっています。
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有機農業25%の方向性を考える:有機農業と環境リスクの関係

有機農業の推進が政策課題に挙げられていますが、有機農業と環境リスクの関係について解説します。「有機農業=無農薬」ではなく、有機でも使える天然物由来の農薬も、化学合成農薬と同等の毒性があります。有機農業は環境保全に加えて価値観の側面も持っており、リスクの低減とは別に主観的幸福度などの側面で評価したほうが良いのではないかと考えられます。
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マイクロプラスチック問題その2:リスク評価者の視点がマイクロプラスチック問題のモヤモヤを解き明かす

マイクロプラスチック問題について議論されたJSTのワークショップ資料の中からリスク評価の視点を紹介します。世界における規制、生態リスク、発生源、流出防止策、ペットボトル規制論などについて、リスク評価者の視点がマイクロプラスチック問題のモヤモヤを解き明かしていきます。
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学術会議の提言から読み解くマイクロプラスチック問題のからくり

日本学術会議が2020年4月に公表したマイクロプラスチックに関する提言の内容をまとめて紹介します。マイクロプラスチック汚染が進んでいる現状と、生海洋物やヒト健康への影響を懸念する内容ですが、リスク学的な視点からはツッコミどころも多いです。リスク評価がないままに悪いものと印象付けていると感じます。
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珪藻土に混入したアスベストは危険なのか?その2:リスクを計算して比較する

珪藻土バスマット中のアスベストは危険なのかどうかを判断するために発がんリスクを評価しました。ヤスリで削ったり割ってしまった場合でも、もともと存在する自然由来のアスベストの吸入量と比べて二桁以上低くなり、発がんリスクも懸念レベルにないと判断されました。
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農薬の残留基準値を超過した際に健康影響を判断するための3つのステップ

農薬の残留基準値を超過したニュースを例に、健康影響を判断するステップとして以下の3つを紹介します。1.農薬評価書を活用して農薬の毒性、無影響量などを調べる2.影響が出るまでどの程度その食品を食べる必要があるのかを計算する3.リスクを評価し、そのリスクが受け入れられるかどうかを考える「基準値の〇〇倍!」という数字から判断できることはほとんどないことがわかります。
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日焼け止めで淡水生態系は致命的な影響を受けるのか?生態リスクを考える際のポイント

日焼け止め成分が海外で規制されるなど、生態系への影響が注目されています。「一般的な日焼け止め成分は淡水生態系にとって危険であることが判明」と題したニュースを例に、生態リスクを考える際のポイントを紹介します。