永井孝志

基準値問題

東日本大震災から10年。放射性物質のリスク評価・管理を振り返る:その1 リスク評価編

東日本大震災による原発事故後の放射性物質の許容量と基準値の根拠について整理しました。緊急時と平常時、内部被ばくと外部被ばくという軸の組み合わせで4つの許容量があり、それぞれ別々のロジックにて決まっています。許容量が決まれば後は、実効線量換算係数などのパラメータを使って食品中濃度に換算することで、食品中放射性物質の基準値が決まります。
SNS定点観測

2021年2月の「リスク」を分析しました~SNS定点観測結果23~

Google検索履歴やTwitter、YAHOO!知恵袋を用いて「リスク」のトレンドを定点調査しています。2021年2月の調査結果からは、ビジネス関連のリスク、コロナ持続化補助金、コロナ禍だけど〇〇に行ってよいか?もの、コロナが気になりつつも経済を回そうという動き、等が目立ちました。
リスクコミュニケーション

マーケティングの手法を取り入れたリスクコミュニケーション:EFSAの最新レポートを紹介します

EFSA(欧州食品安全機関)が最近公表した「リスクコミュニケーションの今後の方向性」に関するレポートを紹介します。マーケティングの手法を用いて情報の受け手を3つのレベル(エントリー、インフォームド、テクニカル)に分類し、それぞれの層に対して適切な難易度のメッセージを、適切なチャネルを通して届けるという方向性が示されています。
リスクコミュニケーション

「〇〇にリスコミの専門家がいれば、、、」という声が「〇〇にリスコミの専門家がいるのになぜ、、、」という声に変わる理由

組織にリスコミの専門家が入るだけでは上手くいかないのは(1)大きな組織ほどヒエラルキー構造が強く専門家の意見が反映されにくい、(2)リスコミを活用しようとする組織への変革が追いついていない、という理由が考えられます。そして現在のリスコミ人材の育成は、組織・現場のことをよく知る関係者のリスコミ能力を高める方向に進んでいます。
幸福

2020年コロナ禍にて死者数は減少(主に高齢者に恩恵)し、幸福度も減少(主に若者と女性に損害)した

2020年の日本ではコロナ禍で逆に全体の死者数が減少しました(主に高齢者に恩恵)。一方で、コロナ禍の中でも特に若者と女性は、学校・仕事・社会経済などの劇的な変化を受けて幸福度が減少し、自殺者数も増加しました。世代・性別により恩恵と損害を受けた層が違っています。
SNS定点観測

2021年1月の「リスクコミュニケーション」を分析してわかったこと~SNS定点観測結果22~

リスクコミュニケーションに関するツイート・ニュースを解析しています。2021年1月は全体としては感染拡大を懸念する声が大きく、トップツイートではワクチンのリスコミに関するものが目立ちました。ニュースでは、大学入試共通テストでリスコミ的に問題のある文章が出題されたという記事がありました。
リスクガバナンス

ドアノブなどを拭くのは本当にムダなのか?コロナウイルス表面除染のリスク学

コロナウイルスの感染経路は飛沫が重要なので、モノの表面はドアノブなどの「みんなが触るところ」よりも「飛沫が直接かかるところ」に注意が必要です。消毒薬はその使用自体にリスクがある次亜塩素酸やアルコールよりも家庭用洗剤で十分ですが、規制の枠組み上商品にそのような表示ができません。
化学物質

マイクロプラスチック問題その2:リスク評価者の視点がマイクロプラスチック問題のモヤモヤを解き明かす

マイクロプラスチック問題について議論されたJSTのワークショップ資料の中からリスク評価の視点を紹介します。世界における規制、生態リスク、発生源、流出防止策、ペットボトル規制論などについて、リスク評価者の視点がマイクロプラスチック問題のモヤモヤを解き明かしていきます。
化学物質

学術会議の提言から読み解くマイクロプラスチック問題のからくり

日本学術会議が2020年4月に公表したマイクロプラスチックに関する提言の内容をまとめて紹介します。マイクロプラスチック汚染が進んでいる現状と、生海洋物やヒト健康への影響を懸念する内容ですが、リスク学的な視点からはツッコミどころも多いです。リスク評価がないままに悪いものと印象付けていると感じます。
SNS定点観測

2021年1月の「リスク」を分析しました~SNS定点観測結果21~

Google検索履歴やTwitter、YAHOO!知恵袋を用いて「リスク」のトレンドを定点調査しています。2021年1月の調査結果からは、さらなるコロナ感染拡大とそれに伴う緊急事態宣言によって、「リスクと言えばコロナ一色」という状況がさらに進んだことがわかりました。コロナウイルスの感染経路のイメージもまだまだ浸透していないようです。