永井孝志

幸福

リスクと幸福はどんな関係にあるのか?その2:OECDが測定する幸福度とリスク

OECDが測定する幸福度は、主観的幸福度と能力アプローチ(健康、教育、所得などの自分の人生の機会を拡大する因子)、公正な配分という3つのアプローチからなる11の側面で評価するものです。指標としては平均寿命、大気汚染、殺人率などリスクの指標と重なるものもあります。
幸福

リスクと幸福はどんな関係にあるのか?その1:日本の統計からみるリスクと幸福

リスクと健康・幸福の関係を見るために、肉体的なリスクだけではなく精神的・社会経済的なリスクも含めて統計データを整理しました。私たち日本人はより健康になり、より安全な社会に暮らし、より経済的に豊かになっているのに、暮らしはより悪い方向に向かっていると感じています。これは大きなパラドックスです。
リスクガバナンス

公衆衛生か個人の自由か?その2:皆にPCR検査を受けさせるべきかどうかは価値観の対立である

要約 国民全体の健康のために〇〇すべきという公衆衛生的な視点と個人の自由には価値観の対立が存在します。コロナウイルスのPCR検査についても、無症状の方への検査は推奨されないという公衆衛生的な視点と、検査を受けて安心したいという個人の視点があり、これも価値観の対立であると考えられま...
SNS定点観測

2020年10月の「リスク」を分析しました~SNS定点観測結果15~

Google検索履歴やTwitter、YAHOO!知恵袋を用いて「リスク」のトレンドを定点調査しています。2020年10月の調査結果は、コロナウイルスに関するの状況も変化がなく、他にも大きなリスク関連の事件などもなかったため、全体的に大きな特徴のないものとなりました。11月のアメリカ大統領選挙については、どちらに転んでも「リスク」ととらえられている様子がわかりました。
基準値問題

公衆衛生か個人の自由か?その1:コロナ相談・受診の目安(37.5度以上が4日間続く)のからくり

コロナ相談・受診の目安(37.5度以上が4日間続く)は、医療崩壊を防ぐために設定された基準ですが、一方で個人の自由を制限するというジレンマもあります。この基準がどのように誕生して、その後どのよう消えたのかについて調べました。公衆衛生か個人の自由かという議論は明示的にはありませんでした。
リスクコミュニケーション

リスコミでは中学生でもわかるように説明しろと言われたけど、どうしたらいいかわからない人のためのツールを紹介2:情報全体の評価方法

リスクコミュニケーションにおいてはわかりやすい説明が重要です。資料等の情報全体のわかりやすさの評価方法3つ:マーカー法、Clear Communication Index(CCI)、Suitability Assessment of Materials(SAM)と、数値・図表・リスクなどの表現方法の注意点を紹介します。
リスクコミュニケーション

リスコミでは中学生でもわかるように説明しろと言われたけど、どうしたらいいかわからない人のためのツールを紹介1:文章の難易度レベル判定

リスクコミュニケーションにおいてはわかりやすい説明が重要です。そこで、文章の難易度を判定するWEBツール「チュウ太」と「帯3」を紹介します。このツールを使うと文字通り「中学生にもわかるかどうか」を判定できます。
SNS定点観測

2020年9月の「リスクコミュニケーション」を分析してわかったこと~SNS定点観測結果14~

リスクコミュニケーションに関するツイートを解析しています。リスコミに関するツイート数は減少を続けており、コロナによる緊急事態から食品安全や原子力など平常時のトピックに戻りつつあるように見えます。また、コロナについての政府のリスコミは改善の兆しが見えてきません。
リスク比較

リスク指標としての損失余命はわかりやすい?その3:損失余命の倫理的側面を考える際の3つの視点

損失余命をリスク指標として使う場合、若者が1人亡くなるのと高齢者が数人亡くなるのが同じ程度のリスクと計算されます。このようなエイジズム(年齢による差別をすること)にはどのような倫理的側面があるのかを3つのタイプのエイジズム(健康最大化、生産性、フェアイニングス)から考えてみます。
リスク比較

リスク指標としての損失余命はわかりやすい?その2:リスクのものさし損失余命版

損失余命を指標としてリスク比較する際にもリスクのものさし(一定のリスク比較のセット)があると便利です。「がん、自殺、交通事故、火事、落雷」の5つの要因の損失余命を最新(令和元年)のデータを用いて解析し、リスクのものさしとして活用できるようにしました。