2026年4~2026年9月の「リスク」を分析しました~SNS定点観測結果35~

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要約

Google検索履歴やYAHOO!知恵袋、News APIを用いて「リスク」のトレンドを定点調査しています。2026年度上半期(4~9月)の調査結果から、金利上昇や為替・株価の変動、AI・情報セキュリティ、中東情勢などがトレンドに入っています。

本文:2026年4月~2026年9月のリスク

Google検索履歴やTwitter、YAHOO!知恵袋などを対象としてソーシャルリスニングを行い、今人々がどんなリスクに注目していたり不安を持っていたりするかを調査しています。以前は月ごとにまとめて報告していましたが、現在は半年に一度報告しています。方法については2020年3月の調査結果をご覧ください。Twitterの解析は2023年3月で終了しました。

2020年3月の「リスク」を分析しました~SNS定点観測結果1~
人々の生の声をSNS等から収集するソーシャルリスニングとして、Google検索履歴やTwitter、YAHOO!知恵袋を用いて「リスク」のトレンドを定点調査しています。2020年3月の調査結果からは、このコロナウイルス蔓延のご時世に〇〇しても大丈夫か?という行動の可否の判断にとても高い情報ニーズがあることが浮かび上がってきました。

2026年4月~2026年9月の期間のリスクに関するトピックは、金利の上昇と為替・株価の急激な変動(投資のリスク)、イスラエル・イランなどの中東情勢と原油の供給危機、AIのリスクの進化、熊本地震などがありました。高校の研修旅行中に、沖縄県の基地反対運動に使われていた抗議船2隻が転覆する事故の余波も話題となりました。

本記事では、定点調査として2026年4月~2026年9月にどんな「リスク」に焦点があてられたかを分析した結果を報告します。

Google Trends

Google トレンド
Google トレンドで、検索語句やトピックの検索インタレストを期間、地域、人気度別に確認できます

2026年4月~2026年9月の期間内で「リスク」とともにどんなキーワードが検索されているかを調べ、関連キーワードの注目度(検索数が増えたもの)トップ10を抜き出しました。

順位 キーワード トピック
1 国交省が変動金利型住宅ローンの上昇リスクに注意喚起 金融
2 データがリスクにさらされている可能性があります 情報セキュリティ
3 企業の破たんリスクを売買するcdsは投資に対してどんな効果を持つとされるでしょう 金融
4 水害リスクライン 災害
5 年子 リスク 妊娠・出産
6 人工 妊娠 中絶 リスク 妊娠・出産
7 ai リスク AI
8 リスクオーナーシップとは リスク一般
9 柴胡加竜骨牡蛎湯 ハイリスク 理由 医療
10 リスクプレミアム とは リスク一般

第1位は、住宅ローンの金利上昇の話題です。変動金利の場合は支払いが想定以上に膨れ上がるので、家計を圧迫することになります。

第2位はWEBサイト閲覧中に画面に突然表示される警告のことで、本物のセキュリティ警告の場合と、不安を煽って詐欺やアプリの導入を狙う偽警告の場合があります。

第3位のcdsとはcredit default swapの略で、企業や国などの破綻リスクを売買する金融派生商品で、投資対象の破綻に備えた保険の機能を持ちます。

ところで、Google trendsは得られる情報がこれまでとは変わってきたように思います。これまでとは何かしら集計方法が変わったのか、それとも検索の利用方法が変わってきたのか(検索よりもAIに聞く方向へ)、以前よりも有用な情報が得られにくくなっているように思います。

YAHOO!知恵袋

Yahoo!知恵袋 – みんなの知恵共有サービス
Yahoo!知恵袋はみんなでつくる便利でうれしい知恵の共有サービス。参加している方がお互いに知恵や知識をQ&Aで共有できるサイトです。

2026年4月~2026年9月の期間内で「リスク」を含む質問のうち、閲覧数が多かったトップ10を抽出しました。

順位 カテゴリ トピック 要約
1 Instagram インターネット フォロワー増加サービス使用のリスクは?
2 資産運用、投資信託、NISA 金融 NISAをやるべきか?
3 資産運用、投資信託、NISA 金融 AIが投資について○○のリスクがあると言っているけどどう思うか?
4 法律相談 性行為 泥酔状態での性行為は不同意性交等罪と見なされるリスクがあるか?
5 ウイルス対策、セキュリティ対策 サイバー犯罪 ○○のような電話がかかってきたが詐欺か?
6 資産運用、投資信託、NISA 金融 個人向け国債を買うべきか?
7 資産運用、投資信託、NISA 金融 NISAをやるべきか?
8 資産運用、投資信託、NISA 金融 個人向け国債を買うべきか?
9 法律相談 日常生活 自己破産の手続きで現金を没収されるリスクは?
10 性の悩み、相談 性行為 中学生の性行為は大きなリスクがあるか?

投資に関する相談が多いですね。以前なら、ネットでこんな情報を得たんだけどどう思うか?みたいな質問が多かったのですが、最近はまずネットで情報を得て、それをAIに打ち込んで、AIがこんなこと言っているけどどう思うか?みたいな質問が多くなりました。

AI以上の回答が返ってくるとはとても思えないのですが、人間が回答したほうが人は信じやすいのかもしれません。また、分析している側としては、AIがこんなこと言っている、みたいな質問ばかりになり、あまり有用な情報を得られにくくなってきたと思います。

ニュース

NewsAPIというツールを使って、タイトル中に「リスク」を含むニュースやブログをウオッチしています。NewsAPIについての説明は過去の調査結果をご覧ください。

2020年6月の「リスク」を分析しました~SNS定点観測結果7~
Google検索履歴やTwitter、YAHOO!知恵袋を用いて「リスク」のトレンドを定点調査しています。2020年6月の調査結果からは、コロナ関連の話題は現減少を続け、人々の意識が経済優先に傾いていることがわかりました。各種の行動をとってもよいかどうかの判断基準については引き続き高い情報ニーズがありますが、対応する情報提供がないままです。

2026年4月~2026年9月の間にタイトル中に「リスク」を含むニュースを1405件収集しました。以前は毎月の単語頻度ランキングの推移をまとめていましたが、AIによる分析のほうが得られる情報が多いので、今回から単語頻度の分析は止めました。

収集したニュースのデータをGoogleのGemini Notebookに読み込ませ、大きく5種類に分類し、それぞれ内容をまとめさせました。

1.国内外の経済・金融市場の変動リスク 533件
・ボラティリティと政策リスク: 日米関税合意に基づく巨額の対米投融資や金利動向、為替・株価の急変動に関するニュースが中心です。
・企業経営の防衛策: 為替リスクヘッジサービスの導入、人手不足に伴う離職リスク、不動産オーナー向けの増税・空室対策など、実務的なリスク回避策が目立ちます。
・市場調査レポートの集中: 産業別の成長要因や投資リスクを分析した市場予測レポート(QY ResearchやGlobal Info Researchなど)が多数含まれています。

2.AI・先端技術と情報セキュリティのリスク 336件
・意思決定・人材育成への懸念: AI依存により現場や若手が「判断力」を養う機会が失われるリスクや、AIセラピストなどにおける倫理的限界が論じられています。
・セキュリティとガバナンス: 生成AIやAIエージェントの暴走、著作権問題、宇宙開発(アルテミス計画)に伴う不確実性が取り上げられています。
・AIによるリスク防衛: 「AI OSINT」を活用して地政学リスクやサプライチェーンの途絶を事前に予測するなど、AIを防衛手段として利用する新たな動きも見られます。

3.医療・健康習慣と生活衛生のリスク 300件
・日常行動の指標化: 病院での検査値だけでなく、「歩行速度」や睡眠習慣などの日常行動が死亡リスクの予見因子になるという最新研究が話題を集めています。
・嗜好品・製品の再評価: コーヒーや緑茶のがん予防効果が注目される一方で、電子タバコや特定の薬品(トラネキサム酸等)の副作用リスクについての議論が交わされています。
・生活衛生とQOL: 孤独死リスク、高齢化に伴う認知症・介護問題、さらにはペットのケガ・足裏ケアといった生活に身近なトピックも幅広く網羅されています。

4.地政学的緊張と国家安全保障・エネルギーのリスク 149件
・複合的・連鎖的脅威: 中東(イラン)での軍事衝突に伴う米軍備蓄の減少が、西太平洋(台湾海峡周辺)の抑止力低下につながるという安全保障上の連鎖構造が指摘されています。
・単一障害点(SPOF)の恐怖: 台湾(TSMC)への半導体製造の集中や、ホルムズ海峡の封鎖に伴うエネルギー原油高など、世界経済が一瞬で停滞する構造的脆さが懸念されています。

5.自然災害・インフラ・製品事故・その他の社会リスク 87件
・目標優先による安全不全: 学校行事での船転覆事故のように、「教育目標」を優先し客観的なリスク判断を怠った組織的欠陥への追究がなされています。
・身近な製品事故と対策: リチウムイオンバッテリーなどの発火リスクと、その対策としての充電ロッカーや専用保管庫の導入など、即効性のある現場対策が目立ちます。
・防災のデータ化: 過去10年の被害傾向を可視化する「災害リスク経年変化トラッカー」など、AI・データを活用したBCP(事業継続計画)策定の動きが進んでいます。

次に5つのグループの中から最も注目すべきニュースを1つずつ選んでもらうと以下のようになりました。

1.高市首相が打ち出したのは危うい賭けか、「最強の相棒」に国の命運委ねる 日米首脳会談で合意した巨額の投融資にひそむリスク
2.AI時代、私たちは「判断力」をどう育めばよいのか リーダーが見落としている組織的リスク
3.血圧やコレステロール値より重要?死亡リスクを予測する日常的なある行動
4.「米軍備蓄の回復までに最低2年」 イラン攻撃は西太平洋のリスクに
5.辺野古転覆事故「リスク<教育目標」学校の重い罪

さらに、半年間のトレンドの変化を整理してもらうと以下のようになりました。

4月:新年度の制度改変、月面探査「アルテミス計画」の現実的リスク、身近な健康リスク
5月:企業決算と中東情勢・原油高リスク、台湾の地政学リスク、早期の紫外線対策
6月:初夏の気象・熱中症リスク、台風・線状降水帯による大雨災害リスク、製品安全(モバイルバッテリーの発火)
7月:企業の有価証券報告書における「ロシア・生成AI・関税リスク」、サイバーインシデント、サプライチェーンリスク、気候変動レジリエンス
8月:熊本地震からの復興と避難生活における熱中症リスク、「やまゆり園事件10年」に合わせた障害者に対する偏見問題
9月:9月1日の「防災の日」に合わせた企業の事業継続、生成AIの普及と規制、自殺予防週間(9月10日~16日)に合わせた「中年の危機」問題

気になったニュース

収集したニュース記事の中から私が個人的に興味をひかれたものを以下にリスト化します

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1 結婚ががんリスクの低下に関連している可能性 なぜ結婚にメリットがあるのか? https://www.cnn.co.jp/fringe/35246286.html
2 「この医師なら任せられる」と感じる瞬間、約72%が「リスクも含めて丁寧に説明してくれたとき」と回答。執刀医の手術実績や経歴を自分で調べたことがある人はわずか15% https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002699.000044800.html
3 25年の職場の熱中症、最多の1803人 「リスク評価し対応を」 https://www.asahi.com/articles/ASV5X2TWGV5XULFA005M.html
4 国税庁HPから削除「酒は百薬の長」飲酒者には辛い時代「喫煙に次ぐリスク」根拠崩れた適量は体によい https://wedge.ismedia.jp/articles/-/40754
5 1万6000人を28年追跡した研究で、容姿と死亡リスクの関連が浮かび上がる https://news.livedoor.com/article/detail/32019055/
6 AIリスクめぐる「滅亡論」に警鐘、国連の有識者パネル https://www.afpbb.com/articles/-/3654006

1について、女性のほうが独身リスクが高いという結果になっており、これまでの傾向(男のほうが独身リスクが高い)とは異なる結果になっています。女性の場合は以下のように、出産経験が死亡リスク低減につながっており、こういうことも関係しているのかもしれません。ただし、記事中にも書かれているとおりいろんな交絡要因があるので、そのまま受け止めるのは注意が必要です。

女性生殖関連要因と全死亡および疾患別死亡リスクとの関連について | 現在までの成果 | 多目的コホート研究 | 国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所 予防関連プロジェクト

本ブログの過去記事でも結婚とリスクについて書いています。

人生選択リスクその1:結婚と結婚相手がリスクと幸福に与える影響
結婚は選択によって人生が大きく変わるリスクがあるという意味で「人生選択リスク」とくくることができます。男女ともに既婚者に比べて未婚のほうが幸福度が下がり、死亡率も増加します。また、より良い結婚相手を追及しても幸福になれるとは言えず、そこそこで満足する姿勢が求められるようです。

2について、見出しはこうなっていますが、執刀医を選ぶポイントは説明のしかたよりも手術実績が重要との結果になっています。

3について、労基署への届け出を集計したものなので、おそらく農業などの自営はこの統計に入っておらず、実際にはもっと多いはずです。死者は19人とありますが、農業だけでもっと死んでいます。

「自分は大丈夫」は危険…農作業中の熱中症死亡事故が急増!今日からできる対策は? | 政府広報オンライン
農作業中の熱中症による死亡事故が急増する背景には、近年の気候変動による気温の上昇があります。農作業の経験が長い人でも過信せず、しっかりと対策をすることが大切です。

4について、国税庁のウェブサイトから、以下の記述が削除されたとのこと。アルコールは健康にとって害でしかなく「適度な飲酒量」は存在しないという証拠が増えているからですね。

「『酒は百薬の長』という言葉もあるように、昔から適度な飲酒は心身によい影響を与えることが広く知られています。飲酒は、精神のストレスを和らげ、血行を促進し食欲を増進するなど健康を守るうえで、一定の効果を生むものと考えられます」

5について、40代前半までの死亡なので主に自殺のリスクを見ていることになるでしょう。

6について、「AIで人類滅亡」のような言説が広まる中、以下のようなことが書かれており、ダイオキシン・環境ホルモンのような化学物質の騒動とよく似ているな、と感じました。

同氏は「これまで極端な『人類滅亡・殺人ロボット到来』説か、あるいは『大した問題ではない』とする説の二者択一ばかりだった。リスクへの言及の仕方を変えなければならない」と指摘した。
(中略)
AIリスクにおいて科学的根拠がある「事実」と、そこから「推測されるシナリオ」を明確に区別すべきだと強調。
(中略)
また「大声を張り上げることの問題は、相手も同じように大声で言い返すだけになる点だ」と指摘。真に必要なのは「リスクの深刻さや不確実な点も含め、現状を世界全体で冷静かつ合理的に議論することだ」と語った。

まとめ:2026年4月~2026年9月のリスク

2026年度上半期(4~9月)の「リスク」のトレンドを解析した結果、金利の上昇と為替・株価の急激な変動(投資のリスク)、イスラエル・イランなどの中東情勢と原油の供給危機、AIのリスクの進化、熊本地震などがありました。

AIの活用が進んだことで、Google trendsやYAHOO知恵袋からは有益な情報が得られにくくなってきたと感じます。リスクのトレンドの分析方法も今後どうすべきか検討していきます。

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