リスクガバナンス

化学物質

有機フッ素化合物PFASのリスクその2:フッ素樹脂が巻き添えで欧州のPFAS規制対象になった

PFAS問題の解説として、PFOS・PFOAからPFASへ世間の注目が変化したことをGoogle trendsを用いて示します。次に、PFASとは何か?についてリスクの観点から大きく3つに分けて解説します。そして欧州で進んでいるリスク評価を伴わないPFAS一律禁止措置の動向について紹介します。
リスクガバナンス

安全と安心の違い再考~同じようで違っていて、違うようで同じである~

「安全」と「安心」はセットで使われることが多いのですが、「安全と安心は違う!安全は科学的、安心は心理的なもの」という安全安心二分論も頻繁に見かけます。ただし実際には「安全」の中にも心理的な要素は含まれており、同じようで違っていて違うようで同じ概念と整理できます。
リスクガバナンス

政府の外部有識者の選定基準:知識を生み出す能力と知識を社会に応用する能力は異なる

政府に外部有識者として呼ばれている人たちの中に専門家ではない人が混ざりますが、知識を生み出す能力と知識を統合して社会に応用する能力は別物であり、査読論文や被引用数は前者の能力の指標にしかなりません。後者の能力をどのように判断するかを考えてみました。
リスクガバナンス

アジャイルガバナンス:「法律を守っているので安全です」からの脱却

「法律を守っているので安全です」というこれまで企業の姿勢から脱却する方向性としてのアジャイルガバナンスについて紹介します。新しい技術は開発や社会の反応の変化が素早いため、法規制が追いつかず企業の自主管理がより重視され、ガバナンスも迅速にアップデートし続けることが求められています。
身近なリスク

送迎バス置き去りによる死亡事故から考える保育施設の死亡リスク

保育施設の送迎バスに子どもが置き去りにされて死亡した事件が大きなニュースとなっていますが、保育施設においてどのような死亡事故がどの程度の頻度で起こっているかというリスクを知るために、内閣府が取りまとめている保育事故データベースの情報を整理しました。
リスクガバナンス

解決志向リスク評価を阻害する要因は何か? 日本リスク学会シンポジウムの議論から

解決志向リスク評価を阻害する要因は何か?について、2022年6月24日に開催された日本リスク学会シンポジウムの議論をもとに整理しました。Jリーグの成功事例やコロナウイルス対策における問題などから、意思決定する側の意識・組織文化の問題が大きいと考えられました。
リスクガバナンス

知床観光船事故から考える、事故が起こってからの規制強化と事前のリスク評価ベースの安全対策の違い

知床観光船沈没事故を受けて船舶の規制強化が議論されようとしています。事故が起こってからの規制強化と事前のリスク評価ベースの安全対策という二つの安全のカタチがありますが、船舶安全の分野ではFormal Safety Assessment(FSA)という後者のフレームが整っています。
化学物質

みどりの食糧システム戦略における「化学農薬(リスク換算)50%減」を解説します

農林水産省の「みどりの食糧システム戦略」では、2050年までに化学農薬の使用量をリスク換算で50%減という政策目標を打ち立てました。このリスク換算の方法として、毒性の強さを示すADI(許容一日摂取量)を使ってリスク係数を求めて使用量を重みづけしていく方向性が出されました。
化学物質

化学物質の安易な代替によるリスクトレードオフは職場の化学物質管理でも大きな課題となっている

有害性が判明して規制された化学物質から、有害性情報がほとんどないため規制されていない化学物質への安易な代替によるリスクトレードオフは、職場の化学物質管理においても発生しています。そこで本記事では労働安全衛生法による職場の化学物質管理の見直しの方向性について解説します。
リスクガバナンス

米国のメンソールたばこの禁止は「健康格差是正」という新たなロジックに基づくものである

米国でメンソールたばこが禁止される方向に進んでいますが、これは単純にメンソールたばこによる健康被害があるからというよりは、健康格差の是正という新たな規制のロジックに基づいています。これはたばこ自体に手をつけずにメンソールだけを狙い撃ちするために考え出されたロジックと考えられます。