2025年10~2026年3月の「リスク」を分析しました~SNS定点観測結果34~

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要約

Google検索履歴やYAHOO!知恵袋、News APIを用いて「リスク」のトレンドを定点調査しています。2025年度下半期(10~3月)の調査結果から、高市首相就任後の日中関係、中東情勢の緊迫化、AIエージェント、熊などがトレンドに入っています。

本文:2025年10月~2026年3月のリスク

Google検索履歴やTwitter、YAHOO!知恵袋などを対象としてソーシャルリスニングを行い、今人々がどんなリスクに注目していたり不安を持っていたりするかを調査しています。以前は月ごとにまとめて報告していましたが、現在は半年に一度報告しています。方法については2020年3月の調査結果をご覧ください。Twitterの解析は2023年3月で終了しました。

2020年3月の「リスク」を分析しました~SNS定点観測結果1~
人々の生の声をSNS等から収集するソーシャルリスニングとして、Google検索履歴やTwitter、YAHOO!知恵袋を用いて「リスク」のトレンドを定点調査しています。2020年3月の調査結果からは、このコロナウイルス蔓延のご時世に〇〇しても大丈夫か?という行動の可否の判断にとても高い情報ニーズがあることが浮かび上がってきました。

2025年10月~2026年3月の期間のリスクに関する最大のトピックは、中東情勢の緊迫化とホルムズ海峡封鎖によるエネルギー供給危機があります。高市首相就任に反発する中国の動向の不透明さも注目されます。これらはまだ現在進行形です。AIのリスクに関してはAIエージェントの登場による新たなリスクも懸念されています。

本記事では、定点調査として2025年10月~2026年3月にどんな「リスク」に焦点があてられたかを分析した結果を報告します。

Google Trends

Google トレンド
Google トレンドで、検索語句やトピックの検索インタレストを期間、地域、人気度別に確認できます

2025年10月~2026年3月の期間内で「リスク」とともにどんなキーワードが検索されているかを調べ、関連キーワードの注目度(検索数が増えたもの)トップ10を抜き出しました。

順位 キーワード トピック
1 CERT-FRはリスク軽減のためwifi未使用時の完全無効化を推奨しています 情報セキュリティ
2 ユーラシアグループ10大リスク リスク一般
3 AIの利用をめぐるサイバーリスク 情報セキュリティ
4 原発事故時に放出され甲状腺に取り込まれるとがんのリスクを高める物質は何 化学物質
5 関潤 ビジネス
6 重大な洪水リスク 災害
7 ドライブ リスク予報 気象
8 熊遭遇リスク マップ 動物
9 フライトリスク 映画 映画
10 フライトリスク 映画

1位については、フランスのサイバーセキュリティ機関であるCERT-FRが、WiFiを使用しないときは端末のWiFi機能をオフにするよう推奨しているという話題です。AIの利用についてはAIエージェントというワードが今期は注目されており、新たな局面が出てきました。

6位について、「洪水キキクル」は大雨や洪水による災害の危険が、どこで、どのレベルで迫っているかが地図上で可視化されています。

気象庁 | キキクル(危険度分布)
土砂災害、浸水害、洪水災害からあなたやご家族の命を守るための情報「キキクル(危険度分布)」のページです。大雨警報、洪水警報、土砂災害警戒情報等が発表されたときに、実際にどこで危険度が高まっているかを地図上で一目で確認することができます。

7位について、ドライブリスク予報はウェザーニュースによるサービスで、雨や雪・凍結によるスリップや視界不良の危険性、強風の影響、車速の程度についてドライブルート上で確認できます。

ドライブリスク予報
ドライブルート上の雨によるスリップや視界不良、横風のリスクをご確認いただけます。通勤・通学、お出かけ前にお役立てください。

8位について、AI技術を活用して熊に遭遇しやすい地域を地図上に示したリスクマップが開発されています。日本気象株式会社と上智大学深澤研究室がそれぞれ別々に開発しています。

クマ対策にAI技術を活用した「クマ遭遇リスクマップ」を開発しました
日本気象株式会社は、クマによる被害の軽減を目的として、AI技術を活用し、人の生活圏におけるクマとの遭遇リスクを地図上に面的に評価した「クマ遭遇リスクマップ」を開発しました。本日2025年8月28日に、本マップ及び、解析で見えてきた遭遇リスクの季節変化と遭遇しやすい環境…
クマ遭遇AI予測マップ|上智大学 深澤研究室
AIによる全国のクマ遭遇リスク予測マップ。青森・秋田・山形・宮城・福島・栃木・札幌・盛岡・東京の各地域のクマ遭遇リスクを可視化しました。

9, 10位は2025年に公開されたアメリカのアクション映画です。

YAHOO!知恵袋

Yahoo!知恵袋 – みんなの知恵共有サービス
Yahoo!知恵袋はみんなでつくる便利でうれしい知恵の共有サービス。参加している方がお互いに知恵や知識をQ&Aで共有できるサイトです。

2025年10月~2026年3月の期間内で「リスク」を含む質問のうち、閲覧数が多かったトップ10を抽出しました。

順位 カテゴリ トピック 要約
1 インターネットサービス インターネット フォロワー増加サービス使用のリスクは?
2 サービス、探しています インターネット フォロワー増加サービス使用のリスクは?
3 ウイルス対策、セキュリティ対策 インターネット 動画共有サイトのリスクは?
4 観光地、行楽地 軽井沢の熊のリスクは?
5 スマートフォン インターネット 詐欺メールの判定
6 資産運用、投資信託、NISA 金融 個人向け国債の元本割れリスクは?
7 K-POP、アジア 恋愛 アイドルは恋愛のリスクをもっと考えてほしい
8 LINE インターネット 詐欺メールの判定
9 恋愛相談 恋愛 付き合う前に体の関係を持つリスクは?
10 資産運用、投資信託、NISA 金融 S&P500だけでリスク分散は十分か?

目立ったのは1,2位にあるようなSNSのフォロワー数やインプレッション増加サービスです。この二つ以外にもたくさん質問がありました。こういうのを見ると本当にSNSの運用はアホらしいと思えてきますね。

SNS侍 – フォロワー いいね 登録者増加サービス
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4位にあるように、○○に旅行に行きたいが熊のリスクは?などの質問も出てくるようになりました。これも以前は見られなかったので潮目の変化を感じます。上記の熊遭遇リスクマップの活用が便利そうです。他には詐欺メールの判定や資産運用のリスクについての質問などがありました。

ニュース

NewsAPIというツールを使って、タイトル中に「リスク」を含むニュースやブログをウオッチしています。NewsAPIについての説明は過去の調査結果をご覧ください。

2020年6月の「リスク」を分析しました~SNS定点観測結果7~
Google検索履歴やTwitter、YAHOO!知恵袋を用いて「リスク」のトレンドを定点調査しています。2020年6月の調査結果からは、コロナ関連の話題は現減少を続け、人々の意識が経済優先に傾いていることがわかりました。各種の行動をとってもよいかどうかの判断基準については引き続き高い情報ニーズがありますが、対応する情報提供がないままです。

2025年10月~2026年3月の間にタイトル中に「リスク」を含むニュースを1267件収集しました。収集したタイトル中の単語頻度ランキングの月ごとの推移をまとめました。また、注目すべきワードは背景色をつけてみました。

News

これまでに引きつづき、「AI」は高ランクを維持しています(赤でマーキング)。また、株式会社○○は△△のリスクや市場の動向を分析するレポートを公開しました、的なニュースが目立っています(青色でマーキング)。「経済」「投資」「企業」「株式」などの経済関連のワードもまとめて黄色でマーキングしました。これらのワードも毎月高ランクとなっています。

緑色でマーキングしたのは注目すべき時事ニュースに関連します。2025年11月には国会で台湾有事を念頭に「存立危機事態」に該当する可能性などについて議論され、そのときの高市首相の答弁が中国側から問題視されました。2026年3月にはアメリカやイスラエルがイランへ攻撃し、イランがホルムズ海峡を封鎖するなど、緊迫した情勢が続いています。

AIによるニュースのまとめ

収集したニュースのデータを用いて、AI(GoogleのNotebookLM)を用いた分析を今回も試行してみます。これは前回(SNS定点観測結果33)からはじめました。収集したニュースの情報を読み込ませ、まず大きく5種類に分類し、それぞれ内容をまとめさせました。なかなかよい感じにまとまっていると思います。

1.AI・先端技術と情報セキュリティのリスク 205件
AIの急速な進化と社会実装に伴う、新たなガバナンスとセキュリティの課題が最も顕著な動向の一つです。
・AIエージェントの安全性と「シャドーAI」: 自律的に動作するAIエージェントの脆弱性や暴走リスク、組織が把握していない「シャドーAI」の利用が経営上の重大な脅威として指摘されています。
・情報の信憑性とAIハルシネーション: SNS上の偽情報の拡散や、AIがもっともらしい嘘をつく「AIハルシネーション」による社会的な混乱や名誉毀損のリスクが懸念されています。
・サイバー攻撃の高度化: ランサムウェア攻撃の激化、VPN機器の脆弱性の悪用、さらにはAIそのものを悪用したサイバー攻撃が企業の事業継続を脅かしています。

2.医療・健康習慣と生活衛生のリスク 501件
個人のライフスタイルが将来の重篤な疾患リスクに直結するという研究結果が数多く報告されています。
・食習慣と死亡・疾患リスク: ラーメンの過剰摂取、超加工食品、ダイエット飲料などの摂取が心血管疾患や死亡リスクを直接高める可能性が示唆されています。
・生活リズムと精神衛生: 睡眠不足や夜型の生活、孤独・孤立が、認知症、心臓病、さらには抑うつや自死リスクの増加に関連していることが強調されています。
・予防医療とAI予測: 1晩の睡眠データや唾液、AI画像解析から将来の病気(乳がん、糖尿病、認知症など)を予測する技術が進化し、早期対策がリスク軽減の鍵となっています。

3.国内外の経済・金融市場の変動リスク 384件
政治情勢の変化や、それに対する市場の過敏な反応が個人の資産や企業経営に影響を与えています。
・「高市トレード」と市場の乱高下: 日本の政治体制の変化(高市政権の発足)に伴う株高・円安の進行と、その反動による急落リスク、金利上昇による債券価格の下落が注目されました。
・インフレと投資判断: 物価上昇リスクを背景とした「投資をしないことのリスク」の議論や、NISA・iDeCoを通じた資産運用の重要性と、同時に伴う元本割れリスクの教育が急務となっています。
・企業の経営リスク: 中小企業の倒産リスクの増大、人手不足(ケアマネジャー、漁業者など)によるサービス維持の困難、不祥事によるブランド毀損が報じられています。

4.地政学的緊張と国家安全保障・エネルギーのリスク 112件
国際的な対立が、サプライチェーンやエネルギー供給を通じて日本の安定を揺さぶっています。
・中国・チャイナリスク: 台湾有事への懸念、中国によるレアアース輸出規制や日本産水産物の輸入停止、日本への渡航自粛要請など、経済的威圧が企業の重大な経営リスクとなっています。
・中東情勢とエネルギー供給: イラン情勢の緊迫化やホルムズ海峡の封鎖リスクが、原油・天然ガス価格の急騰を招き、日本のインフレ加速や景気下押しを招く「トリプル安」の懸念が現実味を帯びています。
・経済安全保障: 半導体やAIインフラ、蓄電池などの戦略物資の確保において、米中依存からの脱却と国内基盤の構築が国家的な課題となっています。

5.自然災害・インフラ老朽化と社会構造のリスク 65件
日本の国土条件や人口動態に起因する、避けて通れない構造的なリスクです。
・巨大災害の脅威: 能登半島地震の教訓を踏まえた復興の難しさ、富士山噴火や三陸沖の後発地震への備えなど、自然災害に対する「想定外」を減らす対策が求められています。
・インフラの老朽化とデジタル化: 下水道管の破損、道路陥没、通信基地局の撤退など、生活基盤の維持コスト増大と、それに伴う事故リスクが顕在化しています。
・少子高齢化と社会の歪み: 「年収の壁」や社会保険料負担増による現役世代の困窮、高齢者の要介護リスク、さらにはSNS上の「バイトテロ」や闇バイトといった社会風紀の変化も新たなリスクとなっています。

単語頻度の分析よりも得られる示唆が大きいので、ニュースの分析はもうAIによる分析だけで十分ではないかと思いました。ということで単語頻度分析は今回で終了します。

最後にこれらから最も注目すべきニュースを5つ選んでもらうと以下のようになりました。これもなかなかよい視点になっていますね:

  1. 中東情勢の緊迫化とホルムズ海峡封鎖によるエネルギー供給危機
  2. 自律型「AIエージェント」の普及と暴走・兵器化リスク
  3. チャイナリスクの新局面(経済的威圧と人的安全保障)
  4. AI・ビッグデータによる「超早期」疾患リスク予測技術の確立
  5. 日本の積極財政政策に伴う市場のボラティリティと金利上昇

まとめ:2025年10月~2026年3月のリスク

2025年度下半期(10~3月)の「リスク」のトレンドを解析した結果、高市首相就任後の日中関係の悪化、イランを中心とする中東情勢の緊迫化と原油危機、AIエージェントによる新たなリスクの懸念、熊の出没などがトレンドに入っています。ニュースの分析にはAIを用いた分析が有用であることもわかりました。

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