2020年4月の「リスクコミュニケーション」を分析してわかったこと~SNS定点観測結果4~

twitter SNS定点観測

要約

リスクコミュニケーションに関するツイートを解析しています。外出自粛によって時間を持て余した影響からか、リスクコミュニケーションに関するツイート数は4月に入ってさらに急上昇。コロナウイルスの対策なしなら死者数42万人という予測のインパクトがリスコミ的には大きかったようです。

本文

リスクコミュニケーションに関する一般の動向を探るため、ツイッター上で「リスクコミュニケーション」、もしくはその略称である「リスコミ」を含む発言を収集して解析しています。2019年11月から2020年3月までの結果はこちらになります。

2019年11月~2020年3月の「リスクコミュニケーション」を分析してわかったこと~SNS定点観測結果2~
sns定点観測にてリスクコミュニケーションに関するツイートを収集しています。2019年11月~2020年3月の調査結果を見ると、1月にコロナウイルス問題が発生してからリスクコミュニケーションに関するツイートは急上昇し、「〇〇はリスコミぶち壊し」などの批判的な内容にあふれていることがわかりました。

本記事では2020年4月のツイートを解析した結果を報告します。発言数の経時変化、使用頻度の高い単語、「いいね」数トップ10ツイートの順にみていきます。

経時変化

まずは2020年4月分を含めたツイート数の変化と、ツイート数+リツイート数までを含めたツイートの広がりの数の推移を下図に示します。

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新型コロナウイルスによるコロナ禍が始まるまでは月に100件程度であったリスコミ関係ツイートは、1月以降上昇を続けており、4月はさらに大幅に上昇しました。4月の緊急事態宣言の発出後、外出自粛や在宅勤務が広がり暇を持て余した人々はコロナに関する情報を漁っていき、リスコミの重要性に気が付いたのかもしれません(在宅勤務は「暇」ではないのですが。。)。ともあれ、リスコミに関する注目度(と期待度も?)は非常に高まっています。

単語の使用頻度

次に、使用頻度の高い単語をワードクラウドにまとめてみました。

risukomi2004

トップは「専門」です。リスコミは専門知識が重要もしくは専門家の役割が重要、という認識が広まっているのでしょうか。「情報」「説明」「メッセージ」「パニック」など、関連する用語も頻度が高いですね。人名ではクルーズ船告発動画で話題となった岩田健太郎氏や厚生労働省クラスター対策班に所属し死者数42万人(対策なしの場合)の予測を公表した西浦氏の名前が入ってきてますね。

トップ10ツイートの内容

「いいね(fav、ふぁぼ)」が多かったトップ10ツイートを抽出し、トピックと要約を手作業で付けました。いいねがたくさんついたツイートほど、多数の人が共感を得たツイートであると考えられます。これを見ていくことでリスクコミュニケーションのヒントが得られるかもしれません。4月のリスクコミュニケーショントップ10ツイートの要約は以下の通りです。

Fav順位トピック要約
1コロナ緊急事態宣言に関する安倍首相のスピーチはリスコミ的によかった
2コロナ「西浦氏の42万人死亡予測は政府見解でない」とした菅官房長官の発言は最悪のリスコミ
3コロナリスコミは話し上手のことではなく、意思決定の根拠を説明すること
4コロナ韓国の感染症対策について新設された韓国リスコミ担当官に聞いた
5リスコミ一般報道がリスコミの役割を果たさないので専門家が素人に説明する役割まで担わされる
6リスコミ一般(マスコミに対して)リスコミは情報を正確に伝えることが重要なので、原稿を読んでいることを批判するのはやめてほしい
7コロナ専門家によるメッセージの発信方法がわからないのでリスコミの専門家に手伝ってもらう予定
8コロナ政府がマスク2枚配布という政策を前面に出してくるのはリスコミセンスが絶望的にない
9コロナ政府の専門家会議からの情報発信のため、至急リスコミ専門家集団を組織した
10コロナリスコミ専門家が入ってもリスコミが改善したように思えない

1位:緊急事態宣言に関する安倍首相のスピーチはたぶんこれかな?

令和2年4月7日 新型コロナウイルス感染症に関する安倍内閣総理大臣記者会見 | 令和2年 | 総理の演説・記者会見など | ニュース | 首相官邸ホームページ
総理の演説や記者会見などを、ノーカットの動画やテキストでご覧になれます。

特にすごい話が出てくるわけではないですがきちんとしている内容ですね。

2位:西浦氏の42万人死亡予測については、にわか専門家が勝手なモデルで予測したものが出回るよりも、一番まともな専門家である西浦氏が予測した数字を公表して正解だと私は思います。ただし、政府がそういう数字を存じていないというのでは対策にならないと思います。

4位:韓国のリスコミ担当官の話はツイートのリンクを貼ります。

澤田克己 on Twitter
“韓国が2015年のMERS流行の失敗で学んだのは、検査体制など疫学的対応だけではありません。国民に信頼してもらえなければ感染症対策はうまくいかないことも痛感されました。何がまずかったのか、どう改善したのか。16年に新設された初代リスクコミュニケーション担当官に聞きました。1/8”

デマに即時対応のようなSNS時代における心理的防疫をリスコミに期待するなら、とにかくリソース(人とカネ)を「平時から」十分につけて専門家を養成しておかなければ対応できないってことだと思います。

5位:死者数42万人予測の西浦氏は自ら記者会見していましたが、政府対策の要にある専門家が素人に説明する役割まで担わされるのは本当にもったいないと思います。

7位:専門家によるメッセージ発信の際にリスコミの専門家に手伝ってもらう、というような優良規範は今後どんどん広がってほしいですね。

10位:リスコミが改善したように思えないという意見もありますが、そもそも何をもってリスコミの改善というのでしょうか。今回はロックダウンのような強制ではないお願いベースの自粛を多くの人が受け入れて感染爆発を抑えることにひとまず成功しているので、リスコミ自体もそこまで失敗とまではいえないのではないでしょうか。リスコミは大概において有事になってからぶっつけ本番で試行錯誤しながらやりだしているわけですが、本来は平時の時からどのようなやり方にどのような効果があるのかを検証しておかなければいけないのですよね。

まとめ

2020年1月からリスクコミュニケーションに関するツイート数は増大し、4月は外出自粛の影響からかさらに数が増えました。4月は緊急事態宣言の発令と人との接触8割減、そしてコロナウイルスの対策なしなら死者数42万人という予測のインパクトがリスコミ的には大きかったようです。批判も多いですが、以前よりも良い例の話も多くなったように思います。

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