要約
Google検索履歴やTwitter、YAHOO!知恵袋を用いて「リスク」のトレンドを定点調査しています。2020年4月の調査結果からは、コロナウイルスに関連する情報(職業別感染リスク、各種の行動をとってもよいかどうかの判断基準、BCGについて、在宅ワークのtips、マスクについて)にとても高いニーズがあることが浮かび上がってきました。
本文
Google検索履歴やTwitter、YAHOO!知恵袋を対象としてソーシャルリスニングを行い、今人々がどんなリスクに注目していたり不安を持っているかを調査しています。方法については3月の調査結果をご覧ください。
本記事では定点調査として4月にどんな「リスク」に焦点があてられたかを分析してみました。
Google Trends
2020年4月の期間内で「リスク」と共にどんなキーワードが検索されているかを調べ、関連キーワードの注目度(検索数が増えたもの)トップ10を抜き出しました。
順序 | キーワード | トピック |
1 | マキシマム リスク | 映画 |
2 | 理髪店 コロナ リスク | コロナ |
3 | コロナ 感染 リスク 高い 職業 | コロナ |
4 | ゼロ リスク 厨 | コロナ |
5 | zoom リスク | 情報セキュリティ |
6 | 歯医者 コロナ リスク | コロナ |
7 | リスクオブレイン2 | ゲーム |
8 | zoom セキュリティ リスク | 情報セキュリティ |
9 | 感染 リスク | コロナ |
10 | リスクオブレイン | ゲーム |
先月の調査ではトップ10のうち3つがコロナウイルス関連でしたが、2020年4月では5つがコロナウイルス関連でした。しかし、zoomのセキュリティに関するリスクが2つ入っており、コロナによる在宅勤務で一気に使用が増えたことが関係していると思われますので、これも合わせれば7つがコロナ関連ということになるでしょう。1位はテレビで放映された映画のタイトルです。7位と10位はゲームのタイトルで、じっくり時間をかけてアイテムを収集すると敵が強くなり、どんどん先へ進むとアイテム不足で苦しむというリスクトレードオフの概念が入ったゲームのようです(やったことはありません)。
コロナ関連の中身を見ていくと、感染リスクの高い職業を調べたかった検索があります。歯医者は患者の飛沫を浴びるので感染リスクの高い職業とされています。理髪店も濃厚接触を余儀なくされます。なので、理髪店や歯医者に行くことによる感染リスク(「○○しても大丈夫か?」もの)を調べたかったというよりは職業としての感染リスクを調べたかったのかもしれません。「セロリスク厨」なる言葉(ゼロリスクを求める人々を軽蔑して呼ぶ言葉)が検索上位に入っているのは笑ってしまいましたが、どうやら堀江貴文さんがツイッターにて、なんでも自粛を求める風潮を「セロリスク厨」という言葉で批判していたようです。
YAHOO!知恵袋
2020年4月の期間内で「リスク」を含む質問のうち、閲覧数が多かったトップ10を抽出しました。
順序 | カテゴリ | トピック | 要約 |
1 | ニュース、政治、社会問題国際情勢 | コロナ | 喫煙者はコロナのハイリスクではないのか |
2 | 健康、美容とファッション | コロナ | 高校生の娘にBCGを打たせたいがどうすればよいか |
3 | 健康、美容とファッション | コロナ | 温泉に行ってもよいか |
4 | 子育てと学校 | 受験 | 受験に失敗するのが不安 |
5 | ニュース、政治、社会問題国際情勢 | コロナ | 旅行に行ってもよいか(10代なのでリスクは少ないはず) |
6 | ニュース、政治、社会問題国際情勢 | コロナ | なぜ政府は強制的なロックダウンをしないのか |
7 | エンターテインメントと趣味 | コロナ | BCGはコロナに効果があるのか |
8 | ニュース、政治、社会問題国際情勢 | コロナ | 抗体検査を広く普及させるべき |
9 | 健康、美容とファッション | コロナ | 学校の再開が不安 |
10 | 子育てと学校 | コロナ | 子供を保育園に預けられなくなり、在宅勤務に支障 |
先月はトップ10すべてがコロナ関連でしたが、2020年4月はトップ10のうち9つがコロナウイルス関係の質問でした。残り一つは受験に失敗するリスクが不安というものでした。
コロナ関連の内容をみると、先月に引き続き、温泉や旅行に行ってよいか、などの行動の可否を問う質問(「○○しても大丈夫か?」もの)がありました。トップ10以外にも眺めていくと、ドライブに行ってよいか?ゴルフに行ってよいか?歯医者に行ってよいか?ラブホテルに行くのはよいか?屋内遊戯施設にいってよいか?銀行にいってよいか?など、「周りは反対するんだがやってもいいよね?」もしくは「旦那や親が行きたいと言っているがやめさせたい」という質問になっています。だいたいこれで夫婦喧嘩になるようで、妻がどこかに行きたがっているがやめさせたいなどの逆パターンは全然ないですね。先月に引き続き、リスク情報に対する感受性(不安に思うか大丈夫と思うか)の個人差が非常に大きく、出かけたくてうずうずしているという人と、一切外へ出てはだめだ(自分もほかの人も)という人に二分されている様子がうかがえます。
現在はまだ緊急事態の最中ですが、解除された後はリスクの低い行動から徐々に解禁されることになります。その際に、様々な行動の可否の判断基準の情報があると市民のニーズに答えられるでしょう。
気になったのはBCGに関する質問が2つあったことです。BCGに効果があるかどうかは今のところ大した根拠はありません(国レベルでBCGを打つ打たないで感染者や死者数が違うという結果もあれば、違わないという結果もある)。さらに、ワクチンは子供用の需要分しか生産されていないのであわてて打たないようにとの注意が出されています。にも関わらず、BCGに効果があるかもといった情報に接することで、BCGを打っていないことに対して不安で不安でしょうがない、といった心理状態になっていることは重要視すべきではないでしょうか。「日本ではBCGのおかげで死者数が少ないから大丈夫」と安心しないようにとの注意喚起もありますが、心理的には逆の問題のほうが大きいように思います。放っておくと「学校再開にはBCG全員接種を!」などの声まで出てきかねません。
2020年4月の間につぶやかれた「リスク」を含む1万ツイートを毎週収集し、リスク関連単語の使用頻度ランキングを作成しました。ワードクラウドと表で表します。
頻出単語トップ40はほぼコロナ関連と思われる単語ばかりであり、先月と大きく変わらず「リスク」を含むツイートはほぼほぼコロナウイルス関連で埋め尽くされていることがうかがえます。表には先月順位との比較を示しており、先月より順位が上がった(もしくは100位以下から新たにランク入り)ものは青(10位以上上がったものは濃い青)、順位が下がったものは赤で塗りつぶしています(10位以上下がったものは濃い赤)。
自粛、外出、緊急事態宣言、休業などの単語のランクが上がっています。4月になって緊急事態宣言が出され、一層の自粛が求められるようになった結果と思われます。マスクもトップ10内に躍り出ましたが、政府による布マスク配布の反響でしょうか。家、子供、家族なども上がっており、在宅勤務が増えた影響でしょうね。また、医療、病院が上昇しており、感謝という言葉もランク入りしました。医療従事者に感謝のムードが高まってきているかもしれませんが、同時に医療従事者への差別も出てきているようです。
まとめ
4月のリスクの解析ではやはりリスク=コロナウイルスという結果となりました。ここからわかる世間の情報ニーズとしては、職業別感染リスク、各種の行動をとってもよいかどうかの判断基準、BCGについての礼賛ではない「まともな」情報、在宅ワークのtips(zoomなどのweb会議、子供と一緒の在宅勤務など)、マスクについて、が重要になっているでしょう。
また、以前の記事にも書きましたが、コロナにリスクの注目が全振りされている状態が続いているのは危険です。
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