〇〇しても大丈夫か(コロナに感染しないか)?活動別のコロナウイルス感染リスク評価その3:日本での適用可能性を考える

カラオケ リスク比較

要約

米国の活動別コロナ感染リスク評価を統合したものが日本でも使えそうかどうかを考えてみました。日本での活動として評価すべきものが抜けているものが結構あり、20項目について追加評価を試みました。

本文:活動別コロナ感染リスク3

前回の記事にて、〇〇(活動の種類)をしても大丈夫か(コロナに感染しないか)?という判断に使えそうな活動別コロナ感染リスク評価の海外事例を追加で3例紹介し、全部で6例になりました。また、これらの評価結果をメタアナリシスによって一つに統合し、58種類の活動のリスクを10段階で示すことができました。

〇〇しても大丈夫か(コロナに感染しないか)?活動別のコロナウイルス感染リスク評価その2:海外評価事例の追加紹介と統合評価(メタアナリシス)
日常生活にかかわる活動別のコロナウイルス感染リスクを評価した海外事例をさらに3つ紹介します。前回紹介した3例と合わせて6例の評価結果をメタアナリシスによって一つに統合し、58種類の活動のリスクを10段階で示すことができました。

ただし、これら6例の評価はすべて米国の事例でした。これをそのまま日本でも使えるものなのでしょうか?本記事ではその点について考えてみたいと思います。

活動に漏れはないか?

すでに58種類の活動を取り上げてリスクを評価しましたが、米国特有の活動があったり、日本での主要な活動が取り上げられてないかもしれません。

知人にハグや握手をする、カジノ、ポンツーンボート(ボート上での少人数パーティー)などはあまり日本ではないかもしれませんね。まあでもこれくらいなら入っていてもそれほど悪い影響はないでしょう。

日本での人気がある活動で漏れているものを探すために、日本生産性本部が毎年発行している「レジャー白書」を参考にしましたどのような活動にどれくらいの人が参加しているかの数字が掲載されている資料です。

レジャー白書 | 調査研究・提言活動 | 公益財団法人日本生産性本部
「レジャー白書」は、わが国の余暇の動向を総合的に把握できる唯一の白書です。余暇関連分野における需要・市場動向把握やマーケティング戦略立案の基礎資料として価値ある1冊です。

スポーツでは、バスケットボールがよく取り上げられているのはいかにも米国の評価っぽいところです。日本では野球やサッカーは必須でしょう。今コロナ対策で話題の相撲(相撲をとる人&観戦する人)も必要でしょうね。ほかに日本で人気があって評価すべきスポーツは、登山、卓球、バドミントン(意外に多い!)、スキー・スノボ、ゲートボール、柔道・剣道・空手などの武道、釣り、あたりでしょうか。

日本特有の活動で感染リスクの評価が必要なものを考えてみると、まずキャバクラ・ホストクラブ的な各種接待付き飲食店、エステサロン、パチンコ、カラオケ、ゲームセンター、麻雀、競馬、お祭り、温泉・サウナ、舞台の観劇などがあるでしょう。子供の活動では学校以外に塾や学童保育があるでしょう。

これらの活動は評価から漏れているといえるので評価に加えてみたいと思います。

評価基準は適切か

これまでの海外評価事例6例で使われた評価基準を列挙してみます:
・密集
・密閉(野外か屋内かを含む)
・密接
・活動時間
・ソーシャルディスタンスが可能か
・予防ガイドラインに従う可能性
・(年齢や既往症などの)個人の健康上のリスクレベル

これらはすべて日本でも妥当な評価基準であると考えられます。ただ、個人の健康上リスクレベルについては、感染リスクというよりも感染後に重症や死亡まで至りやすいかどうか、に関係する要素です。また、地域でのコロナ感染蔓延状況も重要な要素であると解説している評価は複数ありましたが、リスク評価にはその要素は含まれていません。予防ガイドラインに従う可能性も結局のところ、マスクを外したり距離ととらない可能性などほかの評価基準に含められるでしょう。

総合的にみると、活動そのもののリスクは3密、活動時間、マスク、ソーシャルディスタンスあたりに集約され、プラスその時点の地域の感染蔓延状況が効いてくる、というところになるかと思います。

上記で漏れている活動として挙げた20の活動を、前回の統合評価と似たような評価になるように、6つの観点で(3密、活動時間、マスク、ソーシャルディスタンス)でざっくりと私の独断で評価してみた結果を以下の表に示します:

活動密集密閉密接活動時間
が長い
マスクを
外す可能性
距離が近いスコア
(〇の数)
10段階に変換
野球××46
相撲×58
登山××××23
卓球××46
スキー・スノボ×××××12
ゲートボール××××23
柔道・剣道・空手などの武道69
釣り×××××12
各種接待付き飲食店69
麻雀69
お祭り×58
×58
学童保育×58
舞台観劇×××35
エステサロン×58
パチンコ××46
カラオケ69
ゲームセンター××××23
競馬××35
温泉・サウナ××46

日本的な日常の活動としては武道、接待付飲食店、麻雀、カラオケあたりがハイリスクと評価されました。

日本のデータとの比較

まず、日本のクラスター発生事例を見てみます。西浦教授ら厚労省クラスター対策班の成果のようです。

Clusters of Coronavirus Disease in Communities, Japan, January-April 2020

Clusters of Coronavirus Disease in Communities, Japan, January–April 2020
Clusters of COVID-19, Japan

4月4日までの3184症例、61のクラスター事例を分析した結果です。クラスターが発生するような活動はハイリスクであるといえます。医療、福祉施設を除く日常生活でのクラスター発生個所は、レストラン(リスクレベル7)やバー(リスクレベル9)が10件、職場(リスクレベル7)が8件、ライブ(リスクレベル9)・合唱の練習(リスクレベル10)・カラオケ(リスクレベル10)などの音楽関連イベントが7件、ジム(リスクレベル8)が5件、式典(リスクレベル7)が2件、飛行機(リスクレベル7)1件でした。()内に示したリスクレベルとは、前回の記事での統合評価の結果10段階で表したリスクレベルです(カラオケだけは本記事)。リスクレベル7以上の比較的ハイリスクなものばかりが入っていますので、評価と日本の実態はそこそこ合っていそうです。

ただし、感染者数を活動参加人数で割らないと本来はリスクの指標にはなりません。分母のデータがないので感染者数しか見ていないことには注意が必要です。

次に、日本の施設別感染件数を見てみましょう。以下の記事に数字が掲載されていました。

新型コロナ 隠れたもう1つの感染源「オフィス」は大丈夫か
第2波とも思える新型コロナウイルスの感染者の急増は、東京都だけでも1日当たり300人に迫る勢いだ。感染源として“夜の街”が注目されてきたが、実は隠れた感染場所がある。「オフィス」だ。4月でも7月でも公開された感染場所でトップだったのはオフィスだった。これ以上の感染を防ぐにはオフィスのあり方、働き方をもう一度考える必要が...

4月の発生施設(医療・福祉を除く)は多い順に職場(オフィス、事業所、工場など)、公共施設(市役所、警察署など)、商業施設(スーパー、百貨店、大型施設など)、飲食施設(居酒屋、キャバクラ、ホストクラブなど)、児童施設(保育園、幼稚園など)、教育施設(小・中学校、高校、大学など)となっています。

同様に、7月の発生施設は多い順に職場(オフィス、事業所、工場など)、教育施設(小・中学校、高校、大学など)、商業施設(スーパー、百貨店、大型施設など)、飲食施設(居酒屋、キャバクラ、ホストクラブなど)、児童施設(保育園、幼稚園など)、公共施設(市役所、警察署など)となっています。

これも感染者数だけを見ています(分母のデータがない)が、職場(リスクレベル7)や学校(リスクレベル8、4月は休校だったので少なかった)、商業施設(リスクレベル4~5)、飲食施設(リスクレベル7~9)あたりが多いようです。商業施設のリスク評価は過小になっているのかもしれません。

こういう発生場所のデータも公開されているのですね。

新型コロナウイルス 日本国内の最新感染状況マップ・感染者数(2日21時時点) - NewsDigest
新型コロナウイルスに関するニュースと地域別の感染者数を毎日配信

コロナ接触確認アプリCOCOAがこういうデータを収集できる仕組みになっていればよいのですけどね。

まとめ:活動別コロナ感染リスク3

米国の活動別コロナ感染リスク評価を統合したものが日本でも使えそうかどうかを考えてみました。日本での活動として評価すべきものが抜けているものが結構あり、20項目について追加評価を試みました。また、日本で感染者が発生している活動と比較したところ、商業施設以外はそこそこリスクの高い(10段階で7以上)な活動と評価されていることから、おおむね実態を反映しているのではと考えられました。

次回は、これまでの評価で抜けている地域の感染蔓延状況などをどうやって考慮するか、などさらにリスク評価を高度化するにはどうすればよいかを考えてみたいと思います。

〇〇しても大丈夫か(コロナに感染しないか)?活動別のコロナウイルス感染リスク評価その4:評価シナリオの設定
コロナ感染リスクは活動の種類だけではなくシナリオに大きく依存してきます。活動毎の基本リスクレベル(1~10)に対して、各種シナリオに依存する「感染リスク係数(0~1)」をかけることによってより現実的なリスク評価になるでしょう。
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