リスク評価

化学物質

PFASをめぐる科学と社会~まとめ記事~

有機フッ素化合物「PFAS」に関する基礎知識、リスク評価、基準値問題、規制動向などについての「まとめ記事」。
化学物質

有機フッ素化合物PFOS・PFOAの発がんリスクの大きさはどれくらいか?

IARC(国際がん研究機関)はPFOSを「発がん性がある可能性がある」、PFOAを「発がん性がある」に分類しましたが、日本の食品安全委員会は証拠は不十分としています。仮に発がん性がある(+遺伝毒性あり)とみなした場合の発がんリスクを計算した結果を紹介します。
その他

食品安全では科学的な評価よりもリスクコミュニケーションがボトルネックになってきた

食品安全の世界では、安全性そのものよりも社会の受容性のほうがボトルネックになりつつあります。そのような時代における、リスコミの主戦場となっているSNS対策、コミュニケーションしやすいリスク評価の必要性、政府のリスコミの総合調整役である消費者庁の実際の取り組みについて整理します。
化学物質

有機フッ素化合物PFASのリスクその4:PFASのリスク評価と母乳育児の悩ましい関係

PFAS問題の解説その4として、20種類のPFASのリスク評価の事例を紹介します。乳児のPFAS摂取量は母乳を飲んだ量でほぼ決まってしまいますが、母乳は感染症のリスクを下げる効果があるのに「PFASでワクチン抗体価が下がる!危険だ!」というリスク評価には大きな疑問が残りました。
身近なリスク

依存のリスク:旧統一教会だけではなく幅広い分野でリスク評価が必要

旧統一教会の解散命令請求に向けた動きに手詰まり感があるなか、宗教だけでなくさまざまな「依存のリスク」の問題が発生しています。依存させる側のリスク評価の必要性、宗教以外どのような「依存のリスク」があるか、依存のメカニズムや依存しやすい人の特徴、についてまとめました。
リスクガバナンス

リスク評価はファクトではないその3~リスク評価の中に潜む価値判断~

「リスク評価は専門家が行うものなので完全に科学的なもの」と言えるわけではなく、その中にはさまざまな価値判断も含まれています。特に「そもそも何を評価するか?」という部分には価値観が大きく反映されるので、専門家以外のかかわり方も重要になります。
リスクガバナンス

解決志向リスク評価を阻害する要因は何か? 日本リスク学会シンポジウムの議論から

解決志向リスク評価を阻害する要因は何か?について、2022年6月24日に開催された日本リスク学会シンポジウムの議論をもとに整理しました。Jリーグの成功事例やコロナウイルス対策における問題などから、意思決定する側の意識・組織文化の問題が大きいと考えられました。
リスクガバナンス

知床観光船事故から考える、事故が起こってからの規制強化と事前のリスク評価ベースの安全対策の違い

知床観光船沈没事故を受けて船舶の規制強化が議論されようとしています。事故が起こってからの規制強化と事前のリスク評価ベースの安全対策という二つの安全のカタチがありますが、船舶安全の分野ではFormal Safety Assessment(FSA)という後者のフレームが整っています。
リスクガバナンス

リスク評価はファクトではないその2~純粋科学とレギュラトリーサイエンスの考え方の違い~

日焼け止めで淡水生態系は致命的な影響を受けるのか?というテーマから、ファクトを追及することを目的とする純粋科学と、意思決定の判断材料を提示することを目的とするレギュラトリーサイエンスの考え方の違いを解説します。例えば純粋科学では日焼け止め成分をミジンコに曝露させたら死んだというファクトを重視しますが、レギュラトリーサイエンスではミジンコに対する無影響レベルはどれくらいかを重視します。
リスクガバナンス

リスク評価はファクトではない~断片的なファクトから問題解決につなげる作法~

リスク評価はファクトではなく、むしろ「ファクトがわかってからでは遅すぎる」という問題に対応するための作法と言えます。断片的なファクトを最大限有効に活用して、知見が欠けている部分は推定や仮定を置いて穴埋めし、政策などの意思決定の根拠として活用できるようにしたものです。