レギュラトリーサイエンス

リスクガバナンス

リスク評価はファクトではないその2~純粋科学とレギュラトリーサイエンスの考え方の違い~

日焼け止めで淡水生態系は致命的な影響を受けるのか?というテーマから、ファクトを追及することを目的とする純粋科学と、意思決定の判断材料を提示することを目的とするレギュラトリーサイエンスの考え方の違いを解説します。例えば純粋科学では日焼け止め成分をミジンコに曝露させたら死んだというファクトを重視しますが、レギュラトリーサイエンスではミジンコに対する無影響レベルはどれくらいかを重視します。
リスクガバナンス

リスク評価はファクトではない~断片的なファクトから問題解決につなげる作法~

リスク評価はファクトではなく、むしろ「ファクトがわかってからでは遅すぎる」という問題に対応するための作法と言えます。断片的なファクトを最大限有効に活用して、知見が欠けている部分は推定や仮定を置いて穴埋めし、政策などの意思決定の根拠として活用できるようにしたものです。
リスクガバナンス

コロナウイルスのリスクガバナンスにおける科学と政治その7:オリンピックの開催是非は専門家が判断することなのか?

オリンピックの開催などをめぐって科学vs政治の対立構造があおられていますが、科学と政治の間に位置づくレギュラトリーサイエンスの観点が重要です。専門家がリスク管理に踏み込むのは緊急事態であることを考えれば仕方ありませんが、これが標準的なやり方ではありません。リスク評価の限界やリスクが許容可能かどうかの議論の必要性などの論点を整理します。
リスクガバナンス

米国のメンソールたばこの禁止は「健康格差是正」という新たなロジックに基づくものである

米国でメンソールたばこが禁止される方向に進んでいますが、これは単純にメンソールたばこによる健康被害があるからというよりは、健康格差の是正という新たな規制のロジックに基づいています。これはたばこ自体に手をつけずにメンソールだけを狙い撃ちするために考え出されたロジックと考えられます。
リスク比較

リスク比較の手法は示す相手や目的に依存する―相手・目的にあったリスク比較を行うポイント

リスク比較を行う際に重要なことは、まず比較を示す相手と示す目的を整理することです。 どの指標を使うか?どの方法を使うか?どこまで細かくやるか?何と何を比較するか?などは、比較を示す相手や比較を示す目的に大きく依存します。このことを交通事故のリスクを例にして説明していきます。
リスクガバナンス

ドアノブなどを拭くのは本当にムダなのか?コロナウイルス表面除染のリスク学

コロナウイルスの感染経路は飛沫が重要なので、モノの表面はドアノブなどの「みんなが触るところ」よりも「飛沫が直接かかるところ」に注意が必要です。消毒薬はその使用自体にリスクがある次亜塩素酸やアルコールよりも家庭用洗剤で十分ですが、規制の枠組み上商品にそのような表示ができません。
基準値問題

ソーシャルディスタンスのからくり4:スパコン富岳が示す距離1mの効果

ソーシャルディスタンスが感染予防に効果的であることが、スパコン富岳による飛沫の飛散シミュレーションによって示されています。一連のシミュレーションを総合すると「マスクなしなら2m、マスクありなら1m」となり、これまでの日本のソーシャルディスタンスの基準と一致することがわかりました。
基準値問題

ソーシャルディスタンスのからくりその2:本当に意味があるのかどうかの科学的根拠を調べる

ソーシャルディスタンスの科学的根拠を知りたい場合には「科学的根拠」ではなく「エビデンス」や「メタアナリシス」なのワードとともに検索したほうが質の高い情報にあたります。ソーシャルディスタンスはその根拠は限定的ながら、コロナ感染リスクの低減におおむね効果があると考えてよいでしょう。
リスクガバナンス

コロナウイルスのリスクガバナンスにおける科学と政治その2:専門家会議(的なもの)の状況や役割の違いを比較してわかったこと

新型コロナウイルス対策において専門家から政府に助言をする組織は専門家会議を含め3つあり、それらのメンバーや役割を整理したところ、それぞれ重複があり「どこからどこまで」を審議するものなのかあいまいなことがわかりました。
リスクガバナンス

コロナウイルスのリスクガバナンスにおける科学と政治その1:感染症対策における科学と政治の歴史

要約 ワクチン接種における意思決定における科学の役割については、戦後GHQによる強制的な接種(科学の介入の余地なし)、意思決定の科学化(専門家の意見の取り入れ)、科学と政治の対立、科学から市民による意思決定へと変遷を遂げてきています...
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