リスク比較

日本におけるがんのリスク要因は何か?世界疾病負荷(Global Burden of Disease)研究の結果を紹介します

世界疾病負荷研究(GBD study)が提供するツールを用いて、日本のがん死亡に対するリスク要因を整理しました。その結果、たばこやお酒、不健康な食事などの日常生活に起因するがんの影響は化学物質によるがんと比べてけた違いに大きくなっています。
化学物質

除草剤グリホサートの健康影響その4:発がん性物質の受け入れられるリスクレベル

グリホサートのように発がん性ありなしの論争を続けるよりも、発がんリスクの大きさを評価してそれが十分に小さいかどうかを判断したほうがよい場合があります。リスクが十分低く安全と言えるのかどうか?という問いに答えるための方法・考え方について解説します。
化学物質

除草剤グリホサートの健康影響その3:グリホサートの発がんリスクの大きさはどれくらいか?

農薬の発がん性は科学的に完全な白黒がつくものではないため、発がん性あるなしの禅問答は尽きません。その禅問答から抜け出すには、発がん性があると仮定してそのリスクを計算することが有用です。除草剤グリホサートを例に発がんリスクを計算する方法を解説します。
化学物質

除草剤グリホサートの健康影響その2:農薬の疫学調査はなぜ難しいのか?

グリホサートの発がん性の根拠とされている疫学調査のメタアナリシスを事例に、農薬の疫学調査はなぜ難しいのか?を解説します。農薬の疫学研究が難しいのは、農薬の曝露量の推定が難しいことが一番の理由です。結果として、信頼性の低い研究を積み上げたメタアナリシスの信頼性もまた低いということになります。
化学物質

除草剤グリホサートの健康影響その1:尿中から検出された際の健康影響の判断方法

食品中農薬濃度の残留基準値超過は定期的にニュースになりますが、最近では尿中から農薬が検出されたというニュースも目にします。このようなニュースの読み解き方の解説として、除草剤のグリホサートを例に摂取量への換算方法やリスク評価について説明します。
身近なリスク

テロに巻き込まれた場合の3つの対処法:逃げる・隠れるともう一つは???

今回は夏休みのため、通常のブログ記事の更新はお休みします。その代わりに、「国際テロリズム要覧2022」という資料を読んでいて、テロに巻き込まれた場合の対処法の国際比較が非常に面白かったのでそれ紹介します。
その他

AI農業のリスク―新しい技術には新しいリスクがある

AI農業のリスクとして、(1)ハッキングなどのセキュリティのリスク、(2)環境破壊のリスク、(3)大企業によるデータ独占のリスクが挙げられていますが、誤同定による被害、機器類の事故、ディープフェイクやAIボットによる社会の混乱のほうがよりリアルなAI農業のリスクとなりえます。
身近なリスク

熱中症対策と塩分摂取の関係―予防と治療の区別が肝心

熱中症対策では塩分の補給が重要と言われていますが、一方でその必要性に疑問が提示され、塩分摂取の悪影響も懸念されています。現状の日本人は必要量よりもかなり多い食塩を摂取しており、汗をかいた程度で不足することはありません。なぜ熱中症対策として塩分摂取をする必要があるのかの疑問に迫ります。
リスクマネジメント

セキュリティリスク:安倍元首相銃撃事件におけるSPの責任論をどう考えるか?

2022年7月8日に起きた安倍元首相銃撃事件では、SPなどによる警護体制の不備が指摘されましたが、この事件を例にセキュリティリスクについてまとめます。まず、セキュリティリスクの定義を示し、事件後の責任論について心理学的な解説を行い、最後にリスク評価をベースとした対策について解説します。
リスク比較

コロナ禍の2020年から2021年にかけて日本の死亡リスクのトレンドはどのような変化をしたか?

2021年の人口動態統計の死因別死者数によると、インフルエンザなどの呼吸器系疾患は2020年に引き続いて減少が目立ちました。自殺の超過死亡は損失余命で比べるとコロナによる損失余命と同等で、年代別に見るとその特徴が大きく異なり、若者ほど自殺の損失余命が大きくなります。