永井孝志

基準値問題

珪藻土製品に混入したアスベストは危険なのか?その1:基準値の根拠と情報ニーズ

珪藻土製品に基準値を超えるアスベストが検出された問題について調べたところ、基準値0.1%はリスクベースではなく、実行可能性や分析法の限界によって決まっていることが推察されました。つまり、基準値を超えているから危険という判断はできません。また、現在どのような情報提供が必要になるのか、ソーシャルリスニングの手法を用いて情報ニーズを整理しました。
その他

地元(北海道岩内町の周辺)の歴史とリスク

年末年始のためいつものブログ記事の更新はお休みです。かわりに地元の歴史のことなどをエッセイ風に書いた記事を掲載します。
身近なリスク

GoToせずともStayhomeにリスクあり。冬の家庭内のリスクをまとめます。

外出自粛で家に閉じこもっていても、家庭内での溺死、転倒・転落、窒息、火災などでの死者数は合わせて年間1万人以上を超えており、これは多くの人が考えているよりもずっと大きなリスクです。特にこれらは「冬のリスク」と呼べるもので、冬に多く発生するため一層の注意が必要です。
SNS定点観測

2020年11月の「リスクコミュニケーション」を分析してわかったこと~SNS定点観測結果18~

リスクコミュニケーションに関するツイート・ニュースを解析しています。2020年11月は第3波の感染拡大によってリスコミ関連ツイートは増加し、内容もコロナ関連が再度占めるようになりました。コロナ分科会はGoTo停止など以前よりも強い提言を出すようになり、尾身会長の存在感が増しています。
リスクコミュニケーション

いいことした分だけ悪いことしたくなる?コロナ禍における免罪符効果(モラルライセンシング)

いいことした分だけ悪いことをしたくなる心理的効果の「免罪符効果」についてまとめました。コロナ対策でも何か対策をやった分だけ他の対策をさぼってしまったり、自分が対策をやった分だけ感染者に差別的感情を抱いたりということが考えられます。感染防止対策の目的と道徳的な善悪を切り離すことが重要です。
リスクガバナンス

なぜ予測を出せなくなり、なぜそれがリスクとなるのか?予測のリスク学その3

コロナウイルス対策では予測に基づく対策が遅れているように感じます。Googleなどの海外勢が日本の感染予測を出す一方で、日本からは予測が出なくなってしまいました。本来予測を出すべきである中の人たちが予測を出せなくなる現状とその問題点について、コロナと原発事故を比較しながら整理しました。
化学物質

農薬の残留基準値を超過した際に健康影響を判断するための3つのステップ

農薬の残留基準値を超過したニュースを例に、健康影響を判断するステップとして以下の3つを紹介します。 1.農薬評価書を活用して農薬の毒性、無影響量などを調べる 2.影響が出るまでどの程度その食品を食べる必要があるのかを計算する 3.リスクを評価し、そのリスクが受け入れられるかどうかを考える 「基準値の〇〇倍!」という数字から判断できることはほとんどないことがわかります。
SNS定点観測

2020年11月の「リスク」を分析しました~SNS定点観測結果17~

Google検索履歴やTwitter、YAHOO!知恵袋を用いて「リスク」のトレンドを定点調査しています。2020年11月の調査結果は、コロナ第3波の中でコロナへの関心が再度高まっていることがわかりました。特にGoToキャンペーンを使ってよいのかどうかの答えを求めている人が多いことがうかがえます。
リスクテイク

gotoすべきかstayhomeするべきか:GoToトラベルをめぐるリスク・リターン関係

GoToトラベルをめぐるリスク・リターン関係を整理してみました。stayhomeする人はローリスク・ローリターンで、gotoする人はハイリスク・ハイリターンです。ここだけ見るとハイリスクならハイリターンであるべきという規範が成り立っているようにも見えます。ただし、ここに医療従事者を含めたり、感染拡大が進んだ状況になると位置づけが変わってきます。
幸福

リスクと幸福はどんな関係にあるのか?その4:国連の世界幸福度報告は単なるランキング以上の優れモノ

国連の世界幸福度報告(World Happiness Report)の2020年度版について紹介します。ニュースなどでは単なるランキングモノとして扱われますが、幸福度と健康・環境リスクとの関係や、流行りのSDGsとの関係も示されており、さまざまなトレードオフ関係を幸福度という一つの統一指標で表現できる可能性を見せてくれます。