永井孝志

化学物質

マイクロプラスチック問題その3:被覆肥料カプセルの問題はリスクの問題ではない

被覆肥料のプラスチックカプセルの問題について、リスクの視点から全体像を整理しました。被覆肥料由来のマイクロプラスチックの排出は全体の1%以下であり、マイクロプラスチックの生態リスクは現状で懸念レベル以下であることから、リスクの問題というよりはごみ問題として考えるべきです。
リスクコミュニケーション

トンデモ科学を撲滅せねば!と憤慨したときに考えるべきことその2:自分以外はダマされやすいと考える第三者効果

デマやトンデモ科学と戦う際に気をつけたいのが「自分はダマされないが他の人は簡単にダマされる」というバイアスが働く「第三者効果」です。専門的知識のある人、デマの嫌いな人、自分に自信のある人ほどこのような効果が高まり、デマの影響を過大視してしまいます。
その他

リスク学の社会実装とは何か? 第1回「グッドプラクティス賞」の紹介

リスク学の社会実装とは何かを考えるための参考として、日本リスク学会に新たに設けられた「グッドプラクティス賞」の4つの受賞対象について紹介します:福島レポート、MAss gathering Risk COntrol and Communication (MARCO)、食品安全情報blog、SAICM(国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ)。
リスクガバナンス

多くの人が間違って使っている言葉「予防原則」について改めて解説します

あまり理解せずに使っている例が多い「予防原則」という考え方についてまとめます。「予防原則」と「予防的アプローチ」と「未然防止」の違いについて、弱いバージョンと強いバージョンの違いについて、リスクトレードオフには対応できないこと、について解説していきます。
SNS定点観測

Googleの検索履歴ビッグデータから眺める農業と環境リスクのトレンド

Google Trendsを用いて農業と環境リスクのトレンド(環境保全型農業、環境リスクの要素、環境保全に向けた最新技術のトレンド)を眺めました。「みどりの食料システム戦略」の策定や一部の環境ブームの盛り上がりにもかかわらず、環境保全型農業に関する注目度は下がってきているのが現実です。
身近なリスク

人生選択リスクその1:結婚と結婚相手がリスクと幸福に与える影響

結婚は選択によって人生が大きく変わるリスクがあるという意味で「人生選択リスク」とくくることができます。男女ともに既婚者に比べて未婚のほうが幸福度が下がり、死亡率も増加します。また、より良い結婚相手を追及しても幸福になれるとは言えず、そこそこで満足する姿勢が求められるようです。
リスクコミュニケーション

トンデモ科学を撲滅せねば!と憤慨したときに考えるべきことその1:反ワクチンから抜け出した話を読んで

反ワクチン思想から抜け出したという話がTwitterで話題になっていますが、これは反ワクチンの人が読むべきというよりはトンデモ科学を撲滅せねば!と憤慨している人こそ読むべきです。合理的=科学的とは限らず、判断の背後にある物語や価値観を理解することが重要です。
SNS定点観測

2021年4~9月の「リスク」を分析しました~SNS定点観測結果25~

Google検索履歴やTwitter、YAHOO!知恵袋を用いて「リスク」のトレンドを定点調査しています。2021年度上半期(4~9月)の調査結果の特徴は、コロナワクチンのリスクへの注目が急上昇したことです。オリンピックのリスク懸念については、開始前にピークを迎えるものの開始後は急激に落ち込んだことがデータで示されました。
化学物質

はちみつやミツバチはどのような農薬で汚染されているのか?

グリホサートという除草剤の成分がはちみつ中から基準値を超えて検出されたことが話題になっています。ただし、そもそもはちみつやミツバチがどのような農薬で汚染されているのかは実際のところあまり知られていません。そこで農薬汚染の実態をまとめ、リスク評価を行いました。
リスクマネジメント

生物多様性への取り組みって何すればいいの?と悩んだ時の3つの戦略

SDGsやCSR、ESG投資対応で「生物多様性」に取り組まねばならないけど何をしたらよいのかわからない、という悩みに対しての3つの戦略を示します。いずれも本業と密接に関わり企業価値を向上させるような取り組みをするべきであるとまとめられます。