リスク比較

リスク比較

リスク比較の手法は示す相手や目的に依存する―相手・目的にあったリスク比較を行うポイント

リスク比較を行う際に重要なことは、まず比較を示す相手と示す目的を整理することです。 どの指標を使うか?どの方法を使うか?どこまで細かくやるか?何と何を比較するか?などは、比較を示す相手や比較を示す目的に大きく依存します。このことを交通事故のリスクを例にして説明していきます。
リスク比較

リスクと不平等:リスクの地域格差をどう表現し、格差をどう解消するか?

都道府県間の健康格差が年々広がっていますが、本記事ではリスクの種類ごとに都道府県格差を表してみました。がん<自殺<肺炎<不慮の事故の順で都道府県間格差が大きくなっているなど、興味深い結果が得られました。また、このような格差をどう扱うかについて、3つの考え方をまとめました。
リスク比較

コロナワクチンのリスクとリターン(ベネフィット)を定量的に比較する

コロナワクチンについての安全性について注目されているところですが、リスクとリターンをきちんと定量的に評価して比較したものは今のところ見あたりません。そこで、分母は揃えてリスクとリターンの比較を試みました。比較は単純ではありませんが、20代と60代の比較ではリスクとリターンの関係が逆転するかもしれません。
幸福

リスクと幸福はどんな関係にあるのか?その5:寿命が短くても幸せな条件

死亡に至らなくても病気などで苦しだ分を考慮したリスク指標として、専門家の判断に基づくDALY等があります。一方で当事者の記憶に基づく苦痛の評価はそれとはかなり違い、「終わり良ければ全て良し」などのバイアスが働きます。幸福度も記憶に基づくものに近く、過去から現在に至る快楽や苦痛の総和とはなっていないようです。
化学物質

珪藻土に混入したアスベストは危険なのか?その2:リスクを計算して比較する

珪藻土バスマット中のアスベストは危険なのかどうかを判断するために発がんリスクを評価しました。ヤスリで削ったり割ってしまった場合でも、もともと存在する自然由来のアスベストの吸入量と比べて二桁以上低くなり、発がんリスクも懸念レベルにないと判断されました。
身近なリスク

GoToせずともStayhomeにリスクあり。冬の家庭内のリスクをまとめます。

外出自粛で家に閉じこもっていても、家庭内での溺死、転倒・転落、窒息、火災などでの死者数は合わせて年間1万人以上を超えており、これは多くの人が考えているよりもずっと大きなリスクです。特にこれらは「冬のリスク」と呼べるもので、冬に多く発生するため一層の注意が必要です。
リスク比較

リスク指標としての損失余命はわかりやすい?その2:リスクのものさし損失余命版

損失余命を指標としてリスク比較する際にもリスクのものさし(一定のリスク比較のセット)があると便利です。「がん、自殺、交通事故、火事、落雷」の5つの要因の損失余命を最新(令和元年)のデータを用いて解析し、リスクのものさしとして活用できるようにしました。
リスク比較

リスク指標としての損失余命はわかりやすい?その1:コロナウイルスの計算事例

コロナウイルスによる損失余命を計算してみました。死者数に加えて死亡時の年齢の情報、その時点での年齢別平均余命の情報(生命表)を基に計算すると、2020年10月14日時点(死者数1633人)で合計損失余命:18898年、死亡者1人あたり:11.6年、人口10万人あたり:15年、人口1人あたり:1.3時間という結果となりました。
リスク比較

大麻は酒やたばこよりも安全か?リスク比較によって検証する

大麻の死亡リスクを推定したところ「10万人あたりの年間死者数1人」となり、酒「同15.9人」やたばこ「同59.9人」と比較してかなり低いものでしたが、絶対値として無視できるほど低いというわけでもありませんでした。死亡に至らない精神疾患なども考慮したDALYで比較しても、酒やたばことのリスクの差が埋まりませんでした。
身近なリスク

熱中症とコロナウイルスのどちらに気を付ければよいのか?熱中症の死亡リスクを比較する

熱中症の死亡リスクは10万人あたりの年間死者数1.3人ですが、年代ごとの差が非常に大きく、高齢者のリスクが高くなっています。また、マスクや換気などコロナウイルス対策とのトレードオフ関係をみるために、コロナと熱中症のリスクを年代別に比較したところ、高齢者は一般的にはコロナよりも熱中症対策を優先すべきと考えられます。