リスク比較

「農家は長寿命」はファクトか都市伝説か?を検証します

「農家は長寿命」というSNSなど(県の政策文書にも!)でまことしやかに語られる説を検証します。(1)農業者の医療費は非農業者よりも低い、(2)農業者の死亡時平均年齢は非農業者よりも高い、(3)農家の割合が多くなると死亡率を下げる、という根拠が示されていますが、適切な解釈のためにはさまざまなバイアスを取り除く必要があります。
基準値問題

コロナ濃厚接触者の定義「15分ルール」のからくり―給食14分ルールは安全か?

コロナ感染者が出た際に濃厚接触者の認定を避けるため、学校現場では給食を15分以内に食べなければいけない、15分ごとに座席を離れていったん距離をとる、などのトンデモルール実施されています。濃厚接触者の定義である「15分ルール」が設定された根拠について解説します。
SNS定点観測

ロシアのウクライナ侵攻下における日本でのリスクと情報ニーズとは何か?

ロシアのウクライナ侵攻下における日本でのリスクと情報ニーズについて、TwitterやGoogle検索履歴、YAHOO!知恵袋を用いて調査しました。日本での注目点は(1)物価上昇などの直接的影響、(2)なにか自分にできることはないか?、(3)戦争に至った経緯を知りたい、という3つポイントに絞ることができます。
リスクコミュニケーション

「若者でもコロナで重症化することがある、死ぬ可能性はゼロではない」という論法はなぜダメなのか?

医療関係者がよく使う「若者でもコロナで死ぬ可能性はゼロではない(だからもっとコロナを怖がろう)」という論法は、反ワクチンなどが使う「ワクチンで死ぬ可能性はゼロではない(だからもっとワクチンを怖がろう)」という論法と全く同じであり、分母無視の法則の悪用例です。
リスクコミュニケーション

SNSなどのプラットフォームはトンデモ科学な発信にどこまで責任を負うべきなのか?英国王立協会のレポートを紹介します

トンデモ科学情報の拡散のツールになっているsnsなどのプラットフォームはいったいどこまで責任を負うべき(強権を発動すべき)なのだろうか?という疑問に参考となる英国王立協会のレポートの内容を紹介します。疑似科学対策としてコンテンツの削除やアカウントの凍結のみに依存するべきではない、という興味深い内容となっています。
リスク比較

さまざまなリスクを俯瞰する試みとしての「グローバルリスク報告書2022年度版」を解説します

2022年1月に世界経済フォーラムが公表したグローバルリスク報告書2022年度版を解説します。この報告書は特定分野ではなく全てのリスク要因を扱うオールハザードアプローチであることや、短期的(今後0-2年)・中期的(今後2-5年)・長期的(今後5-10年)なリスクをランキングする点に特徴があります。
リスクマネジメント

衣食足りて礼節を知る?~農業×SDGsの波は順番が逆~

「衣食足りて礼節を知る」すなわち、SDGsにおいてもまずは食うに困らない安定した生活基盤があって初めて環境保全などのプラスαの取り組みがうまくいきます。農業においても、大規模農家のほうが環境保全に取り組む余裕が出てくるため結果的に取り組みが進んでいます。
リスクコミュニケーション

科学コミュニケーションとリスクコミュニケーションの違いは何か? ―定義よりも実務を見よう―

科学コミュニケーションもリスクコミュニケーションも、双方向のコミュニケーションを基本として関係者間の相互理解を深めたり信頼関係を構築したりすることが目的である点は似ています。ただし、両者の構成要素や実務上の注意点などは大きく異なっています。
リスク比較

リスクのものさし表示ツールの開発~非エンジニアがPythonでWebアプリを作ってみた

リスク比較の手法として有用な「リスクのものさし」を表示するWebアプリケーションをPythonを使って開発しました。私のような非エンジニアでもサクっとWebアプリを作って実装するための、さまざまなツールと学習するための教材(書籍やWeb上の情報)を紹介します。
リスクガバナンス

リスク評価はファクトではないその2~純粋科学とレギュラトリーサイエンスの考え方の違い~

日焼け止めで淡水生態系は致命的な影響を受けるのか?というテーマから、ファクトを追及することを目的とする純粋科学と、意思決定の判断材料を提示することを目的とするレギュラトリーサイエンスの考え方の違いを解説します。例えば純粋科学では日焼け止め成分をミジンコに曝露させたら死んだというファクトを重視しますが、レギュラトリーサイエンスではミジンコに対する無影響レベルはどれくらいかを重視します。