新年のご挨拶と2023年のリスクの振り返り

2024 その他

あけましておめでとうございます。2023年もお世話になりました。今年もこれまでと同様のペースでブログを運用していく予定です。

今週は年末年始のためいつものブログ記事の更新はお休みです。かわりに過去記事を見ながら2023年を振り返ってみたいと思います。

2023年は2022年と違い、日本国内では大きな事故・事件がなかったように思います。海外ではロシアのウクライナ侵攻に加えて、イスラエルのガザ地区での軍事衝突が始まり大きな被害が出ました。

リスク的な視点からの大きなトピックとして以下の5つを挙げてみました。
(戦争は私が扱えるトピックの範囲外です)

11月に厚生労働省が飲酒ガイドライン案を公表し、少量でもがんのリスクがあることや、生活習慣病のリスクを高める飲酒量の目安として男性40g/日、女性20g/日が示されました。

飲酒(アルコール)のリスクその1:飲酒ガイドラインの男性40g/日・女性20g/日の根拠は謎だらけ
生活習慣病のリスクを高める飲酒量として男性40g/日・女性20g/日という数字を示した飲酒ガイドラインの内容を紹介(実際には飲酒量の基準を示したものではない!)し、男性40g/日・女性20g/日はどこから出てきた数字なのかの謎を解き明かします。

8月に原発処理水の海洋放出が始まりました。SNSなどでは大きく騒がれましたが、いざ始まってしまうと海洋からはほとんど検出されず、反対派の興味がサーっとひいてしまったようです。

排水基準と環境基準の関係:原発処理水と事業所排水の考え方の違いに注目
排水基準と環境基準の関係について、原発処理水と事業所排水ではその考え方に大きな違いがあります。原発処理水の排水基準は飲んでも問題なレベルとしてトリチウム1500Bq/Lが設定されていますが、事業所排水では飲めるレベルにまで処理する必要はなく、放出された環境中で希釈された後に飲めるレベルになっていることが求められます。

一方で、中国は日本産の海産物の禁輸措置をとるなど強硬な姿勢に出ました。これに対して日本はどのような対抗をとるのかはまだ具体的になっていません。

ALARAの原則は単なるスローガンではない:韓国による水産物禁輸措置に対するWTO訴訟でなぜ日本は負けたのか?
原発処理水の海洋放出により、中国は日本の水産物を禁輸としました。今後の対応の参考として、WTOとSPS協定について解説し、2019年に日本が韓国に敗訴した理由についておさらいます。争点の一つとなったALARAの原則についてどう向き合えばよいかに注目して解説します。

2023年を通して大きな騒動となったのがPFASをめぐる動きです。2022年以前まではPFOS・PFOA問題だったものが「PFAS」という大きな物質群として語られるようになってきました。特に米国の厳しい水道水基準や欧州のPFAS一括丸ごと規制は、まるで「狂気」ともいえる状況になっています。

有機フッ素化合物PFASのリスクその2:フッ素樹脂が巻き添えで欧州のPFAS規制対象になった
PFAS問題の解説として、PFOS・PFOAからPFASへ世間の注目が変化したことをGoogle trendsを用いて示します。次に、PFASとは何か?についてリスクの観点から大きく3つに分けて解説します。そして欧州で進んでいるリスク評価を伴わないPFAS一律禁止措置の動向について紹介します。

2022年の後半に画像生成AIのMidjourneyや大規模言語モデルのchatGPTが登場し、2023年はAI新時代に突入しました。それに伴い、新たなAIリスクに対応する必要も出てきました。

chatGPTなどの大規模言語モデルや画像生成AIの登場に伴う新たなリスク
2022年の後半ころからAIのリスクについてのニュースが増えてきましたが、AIによる新たなリスクに向き合っていくために、chatGPTに代表される大規模言語モデルのリスクや画像生成AIのリスクについて整理し、政府のAI戦略会議が最近取りまとめたリスクと論点整理の内容を紹介します。

これらの記事を読んでいただければ取り上げたトピックについて理解が進むと思います。2024年も引き続き時事問題は取り上げていきたいと思います。なにとぞよろしくお願いいたします。

元旦にここまで書いたところで石川県能登半島沖地震が発生しました。まだ被害の全容がわかりませんが、重大な災害となる見込みです。今後も注視していきたいと思います。

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