永井孝志

その他

環境科学への違和感の正体~科学と社会運動の混在

危険をあおるほどインパクトファクターの高い科学雑誌に論文が掲載されやすい、という近年の環境科学に対するへの違和感の正体について、(1)科学と社会運動(〇〇すべき)の混在、(2)「リスクを減らしたい」ではなく「悪いものに罰を与えたい」という感情、(3)「正しさ」の押し付け、という3つの視点から整理しました。
リスク比較

リスク比較のためのRisktools ver2を公開しました

リスク比較のためのWEBアプリ「Risktools」を作っています。今回公開した改良版(ver2)では、死因、年齢階級、評価する年、性別を選択すると、リスクのものさしに加えて経年変化・性別・年齢別のグラフが表示される機能を追加しています。特に経年変化は興味深い結果がいろいろと得られます。
身近なリスク

送迎バス置き去りによる死亡事故から考える保育施設の死亡リスク

保育施設の送迎バスに子どもが置き去りにされて死亡した事件が大きなニュースとなっていますが、保育施設においてどのような死亡事故がどの程度の頻度で起こっているかというリスクを知るために、内閣府が取りまとめている保育事故データベースの情報を整理しました。
リスク比較

日本におけるがんのリスク要因は何か?世界疾病負荷(Global Burden of Disease)研究の結果を紹介します

世界疾病負荷研究(GBD study)が提供するツールを用いて、日本のがん死亡に対するリスク要因を整理しました。その結果、たばこやお酒、不健康な食事などの日常生活に起因するがんの影響は化学物質によるがんと比べてけた違いに大きくなっています。
化学物質

除草剤グリホサートの健康影響その4:発がん性物質の受け入れられるリスクレベル

グリホサートのように発がん性ありなしの論争を続けるよりも、発がんリスクの大きさを評価してそれが十分に小さいかどうかを判断したほうがよい場合があります。リスクが十分低く安全と言えるのかどうか?という問いに答えるための方法・考え方について解説します。
化学物質

除草剤グリホサートの健康影響その3:グリホサートの発がんリスクの大きさはどれくらいか?

農薬の発がん性は科学的に完全な白黒がつくものではないため、発がん性あるなしの禅問答は尽きません。その禅問答から抜け出すには、発がん性があると仮定してそのリスクを計算することが有用です。除草剤グリホサートを例に発がんリスクを計算する方法を解説します。
化学物質

除草剤グリホサートの健康影響その2:農薬の疫学調査はなぜ難しいのか?

グリホサートの発がん性の根拠とされている疫学調査のメタアナリシスを事例に、農薬の疫学調査はなぜ難しいのか?を解説します。農薬の疫学研究が難しいのは、農薬の曝露量の推定が難しいことが一番の理由です。結果として、信頼性の低い研究を積み上げたメタアナリシスの信頼性もまた低いということになります。
化学物質

除草剤グリホサートの健康影響その1:尿中から検出された際の健康影響の判断方法

食品中農薬濃度の残留基準値超過は定期的にニュースになりますが、最近では尿中から農薬が検出されたというニュースも目にします。このようなニュースの読み解き方の解説として、除草剤のグリホサートを例に摂取量への換算方法やリスク評価について説明します。
身近なリスク

テロに巻き込まれた場合の3つの対処法:逃げる・隠れるともう一つは???

今回は夏休みのため、通常のブログ記事の更新はお休みします。その代わりに、「国際テロリズム要覧2022」という資料を読んでいて、テロに巻き込まれた場合の対処法の国際比較が非常に面白かったのでそれ紹介します。
その他

AI農業のリスク―新しい技術には新しいリスクがある

AI農業のリスクとして、(1)ハッキングなどのセキュリティのリスク、(2)環境破壊のリスク、(3)大企業によるデータ独占のリスクが挙げられていますが、誤同定による被害、機器類の事故、ディープフェイクやAIボットによる社会の混乱のほうがよりリアルなAI農業のリスクとなりえます。