永井孝志

リスク比較

リスクと不平等:リスクの地域格差をどう表現し、格差をどう解消するか?

都道府県間の健康格差が年々広がっていますが、本記事ではリスクの種類ごとに都道府県格差を表してみました。がん<自殺<肺炎<不慮の事故の順で都道府県間格差が大きくなっているなど、興味深い結果が得られました。また、このような格差をどう扱うかについて、3つの考え方をまとめました。
リスク比較

リスクの年次推移や地域差を見る際には集団の年齢構成の違いに注意が必要

年次推移や地域差を見る場合には、死者数/人口で計算される租死亡率をそのまま使うと、年齢構成が異なる集団を比較することになり、高齢化の影響を見ているだけになってしまいます。年齢構成を揃えて比較できる年齢調整死亡率を使うと年次推移や地域差のパターンが違って見えてきます。
基準値問題

ソーシャルディスタンスのからくり4:スパコン富岳が示す距離1mの効果

ソーシャルディスタンスが感染予防に効果的であることが、スパコン富岳による飛沫の飛散シミュレーションによって示されています。一連のシミュレーションを総合すると「マスクなしなら2m、マスクありなら1m」となり、これまでの日本のソーシャルディスタンスの基準と一致することがわかりました。
SNS定点観測

2020年12月の「リスクコミュニケーション」を分析してわかったこと~SNS定点観測結果20~

リスクコミュニケーションに関するツイート・ニュースを解析しています。2020年12月は第3波の感染拡大が続く中で再びリスコミへの注目度は上がっており、特にコロナワクチンの話題が急増しました。HPVワクチンの二の舞いを防ごうという流れも大きくなっています。
リスク比較

コロナワクチンのリスクとリターン(ベネフィット)を定量的に比較する

コロナワクチンについての安全性について注目されているところですが、リスクとリターンをきちんと定量的に評価して比較したものは今のところ見あたりません。そこで、分母は揃えてリスクとリターンの比較を試みました。比較は単純ではありませんが、20代と60代の比較ではリスクとリターンの関係が逆転するかもしれません。
リスクコミュニケーション

確率で書くとわかりにくいのでやめよう!その4:ワクチンの有効率・副作用と分母無視の法則

確率で書くとわかりにくい例として「ワクチンの有効性95%」や、分母を無視して判断を誤りやすい例として「ワクチン接種後に〇〇人死亡」について解説します。確率よりも頻度で示したほうがわかりやすくなりますが、頻度であっても分母を揃えて比較しないと容易に判断を誤ります。
リスクコミュニケーション

「緊急事態宣言下なのに外出している奴がこんなにいる」という報道は逆効果

「緊急事態宣言なのに外出している奴がこんなにいる」という論調の報道は怒りの感情を高めるだけで逆効果となり、逆に「自粛している人がこんなにいます」という部分を強調したほうが一人一人の行動の効果を実感できるため効果的と考えられます。現状では出歩いている奴を罰したいという感情を高め、人々の分断や差別をまねく懸念があります。
幸福

リスクと幸福はどんな関係にあるのか?その5:寿命が短くても幸せな条件

死亡に至らなくても病気などで苦しだ分を考慮したリスク指標として、専門家の判断に基づくDALY等があります。一方で当事者の記憶に基づく苦痛の評価はそれとはかなり違い、「終わり良ければ全て良し」などのバイアスが働きます。幸福度も記憶に基づくものに近く、過去から現在に至る快楽や苦痛の総和とはなっていないようです。
SNS定点観測

2020年12月の「リスク」を分析しました~SNS定点観測結果19~

Google検索履歴やTwitter、YAHOO!知恵袋を用いて「リスク」のトレンドを定点調査しています。2020年12月の調査結果からは、コロナ感染拡大の中で旅行・温泉・帰省・結婚式などに行ってよいかの判断について、自分と家族等の周りの判断が対立して困っている人が多くいることがわかりました。
化学物質

珪藻土に混入したアスベストは危険なのか?その2:リスクを計算して比較する

珪藻土バスマット中のアスベストは危険なのかどうかを判断するために発がんリスクを評価しました。ヤスリで削ったり割ってしまった場合でも、もともと存在する自然由来のアスベストの吸入量と比べて二桁以上低くなり、発がんリスクも懸念レベルにないと判断されました。