永井孝志

リスクガバナンス

ドアノブなどを拭くのは本当にムダなのか?コロナウイルス表面除染のリスク学

コロナウイルスの感染経路は飛沫が重要なので、モノの表面はドアノブなどの「みんなが触るところ」よりも「飛沫が直接かかるところ」に注意が必要です。消毒薬はその使用自体にリスクがある次亜塩素酸やアルコールよりも家庭用洗剤で十分ですが、規制の枠組み上商品にそのような表示ができません。
化学物質

マイクロプラスチック問題その2:リスク評価者の視点がマイクロプラスチック問題のモヤモヤを解き明かす

マイクロプラスチック問題について議論されたJSTのワークショップ資料の中からリスク評価の視点を紹介します。世界における規制、生態リスク、発生源、流出防止策、ペットボトル規制論などについて、リスク評価者の視点がマイクロプラスチック問題のモヤモヤを解き明かしていきます。
化学物質

学術会議の提言から読み解くマイクロプラスチック問題のからくり

日本学術会議が2020年4月に公表したマイクロプラスチックに関する提言の内容をまとめて紹介します。マイクロプラスチック汚染が進んでいる現状と、生海洋物やヒト健康への影響を懸念する内容ですが、リスク学的な視点からはツッコミどころも多いです。リスク評価がないままに悪いものと印象付けていると感じます。
SNS定点観測

2021年1月の「リスク」を分析しました~SNS定点観測結果21~

Google検索履歴やTwitter、YAHOO!知恵袋を用いて「リスク」のトレンドを定点調査しています。2021年1月の調査結果からは、さらなるコロナ感染拡大とそれに伴う緊急事態宣言によって、「リスクと言えばコロナ一色」という状況がさらに進んだことがわかりました。コロナウイルスの感染経路のイメージもまだまだ浸透していないようです。
リスク比較

リスクと不平等:リスクの地域格差をどう表現し、格差をどう解消するか?

都道府県間の健康格差が年々広がっていますが、本記事ではリスクの種類ごとに都道府県格差を表してみました。がん<自殺<肺炎<不慮の事故の順で都道府県間格差が大きくなっているなど、興味深い結果が得られました。また、このような格差をどう扱うかについて、3つの考え方をまとめました。
リスク比較

リスクの年次推移や地域差を見る際には集団の年齢構成の違いに注意が必要

年次推移や地域差を見る場合には、死者数/人口で計算される租死亡率をそのまま使うと、年齢構成が異なる集団を比較することになり、高齢化の影響を見ているだけになってしまいます。年齢構成を揃えて比較できる年齢調整死亡率を使うと年次推移や地域差のパターンが違って見えてきます。
基準値問題

ソーシャルディスタンスのからくり4:スパコン富岳が示す距離1mの効果

ソーシャルディスタンスが感染予防に効果的であることが、スパコン富岳による飛沫の飛散シミュレーションによって示されています。一連のシミュレーションを総合すると「マスクなしなら2m、マスクありなら1m」となり、これまでの日本のソーシャルディスタンスの基準と一致することがわかりました。
SNS定点観測

2020年12月の「リスクコミュニケーション」を分析してわかったこと~SNS定点観測結果20~

リスクコミュニケーションに関するツイート・ニュースを解析しています。2020年12月は第3波の感染拡大が続く中で再びリスコミへの注目度は上がっており、特にコロナワクチンの話題が急増しました。HPVワクチンの二の舞いを防ごうという流れも大きくなっています。
リスク比較

コロナワクチンのリスクとリターン(ベネフィット)を定量的に比較する

コロナワクチンについての安全性について注目されているところですが、リスクとリターンをきちんと定量的に評価して比較したものは今のところ見あたりません。そこで、分母は揃えてリスクとリターンの比較を試みました。比較は単純ではありませんが、20代と60代の比較ではリスクとリターンの関係が逆転するかもしれません。
リスクコミュニケーション

確率で書くとわかりにくいのでやめよう!その4:ワクチンの有効率・副作用と分母無視の法則

確率で書くとわかりにくい例として「ワクチンの有効性95%」や、分母を無視して判断を誤りやすい例として「ワクチン接種後に〇〇人死亡」について解説します。確率よりも頻度で示したほうがわかりやすくなりますが、頻度であっても分母を揃えて比較しないと容易に判断を誤ります。