永井孝志

リスクコミュニケーション

情報セキュリティ白書2024は誤・偽情報(フェイクニュース、デマ)の最新状況がよくまとまっている

ブラジルでX(旧ツイッター)が禁止されましたが、偽情報対策としてファクトチェックやプラットフォーム規制が注目されています。本記事では情報セキュリティ白書2024における誤・偽情報の脅威と対策の内容を整理し、リスク学的な視点から現在欠けている視点について考察します。
基準値問題

南海トラフ地震臨時情報「1週間」のほんとうの意味:自治体の半分で受忍の限度を超えている

2024年8月に南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表されましたが、「1週間は巨大地震の確率が数倍高まる」の意味について解説します。また、1週間という期間は地震発生確率と社会経済の受忍限度のバランスで決まりましたが、実は1週間だと自治体の半分で受忍の限度を超えています。
身近なリスク

激辛食品は健康に良いのか悪いのか?カプサイシンのリスクとベネフィット

激辛チップスを食べた高校生が集団で搬送されるなど、激辛ブームに伴う健康影響の懸念が高まっています。辛み成分であるカプサイシンの健康影響についてまとめ、辛さを示すスコヴィル値について解説します。加えて辛み成分が逆に健康に良いかもしれない点についてもまとめます。
リスク比較

リスク比較のためのRisktools ver4を公開しました

リスク比較のためのWEBアプリ「Risktools」を作っています。今回公開した改良版(ver4)では、「死因別リスクのものさし表示ツール」に最新版のデータを追加、「リスク要因別リスクのものさし表示ツール」に最新版のデータ・性別とリスク指標の選択を追加しました。
リスク比較

震災における死亡リスクの男女差は差別構造なのか?

とあるニュースが震災による死者数の男女差を問題視しています。そこで、人口動態調査のデータを用いて1995年(阪神淡路大震災)と2011年(東日本大震災)における震災による死亡リスクを算出し、年代別・男女別に示して比較してみました。
化学物質

PFASをめぐる科学と社会~まとめ記事~

有機フッ素化合物「PFAS」に関する基礎知識、リスク評価、基準値問題、規制動向などについての「まとめ記事」。
化学物質

有機フッ素化合物PFASのリスクその5:PFOS・PFOAの生態リスクはどれくらい?

河川水からPFAS高濃度で検出された場合、ヒトの健康に対するリスクだけではなく水生生物に対する生態リスクも考える必要があります。健康影響におけるADIに相当する生態影響のPNECを整理すると、現時点でPFOS・PFOAの生態リスクの懸念は低いと判断されました。
基準値問題

根拠に基づく栄養学としての食事摂取基準(食塩の目標値に注目!)

塩分の摂りすぎは大きな健康リスクがあり、日本人の食事摂取基準(2025年度版の案)では食塩の目標量は男性7.5g/日、女性6.5g/日となっています。本記事では食事摂取基準の総論や、食塩の目標量の根拠、食塩の目標量の歴史的変遷について順に紹介していきます。
リスク比較

コロナ禍終盤の2022年から2023年にかけて日本の死亡リスクのトレンドはどのような変化をしたか?

コロナ禍終盤となった2023年の人口動態統計による死因別死者数や死因別超過死亡のデータを分析しました。新型コロナウイルスは減少しインフルエンザは大きく増加しました。年代別では10-20代女性と30代男性の死亡率の増加が特徴的となりました。
リスクガバナンス

本の紹介:EBPMの組織とプロセス: データ時代の科学と政策

私も執筆者の一人である書籍「EBPMの組織とプロセス: データ時代の科学と政策(佐藤ら編著)」について紹介します。さまざまな分野におけるEBPMの現状や課題について、特に科学と政策の橋渡しを構成するの4つのプロセス(エビデンスの生成、統合、仲介、対話)に焦点をあてたことに特徴があります。