永井孝志

リスクコミュニケーション

自発的なリスクと非自発的なリスクその1~線引きすることの是非~

一般的に自発的なリスクは非自発的なリスクよりも受容性が高いと言われていますが、自発的・非自発的なリスクという区分自体がそもそもあいまいなものであり、区分自体が過剰な自己責任論を引き起こし、自発的で高いリスクを許容している現状を肯定することにもつながることについて解説します。
化学物質

バイオスティミュラントで農薬削減?その2~バイオスティミュラントのリスクは?~

農薬とも肥料とも異なるカテゴリの農業資材であるバイオスティミュラントについて解説する記事のその2です。バイオスティミュラントのリスクとして、バイオスティミュラントを名乗って農薬まがいの資材が出てくる可能性について、過去の農薬取締法改正の歴史を踏まえながら解説します。
化学物質

バイオスティミュラントで農薬削減?その1~バイオスティミュラントと農薬は何が違う?~

農薬とも肥料とも異なるカテゴリの農業資材であるバイオスティミュラントについて解説する記事のその1です。農薬削減につながるとも言われていますが、バイオスティミュラントとは何かについて改めて整理し、欧州における規制の枠組みや安全性への懸念を解説します。
化学物質

PFOS・PFOA問題とPFAS問題は全く違うがちゃんと区別されていない

「PFAS」がタイトルに入ったニュースが多数報道されていますが、そのほとんどはPFOS・PFOAの2物質に限定した内容であり、10000種類以上もあるPFAS全体の問題ではありません。PFOS・PFOA問題とPFAS全体の問題とはまったく別の問題であり、これらをごっちゃにすることで別の問題も発生します。
その他

リスク指標としての「損失余命」と同じように選挙の際に余命で1票を重み付けるとどうなるか?

人口の少ない若者世代の声をより政治に反映させるために、リスク指標としての「損失余命」と同じように、選挙の際に平均余命で票を重み付けした(余命投票方式)ならどんな結果が得られるか?を2024年の衆院選のデータからシミュレーションしました。
リスクコミュニケーション

「ゼロリスク」のシンプルなメッセージは妥当か?―ゼロリスクを求める心理学―

市民には小難しいことを言っても伝わらないからシンプルに「リスクはゼロです」というメッセージを出すべきなのでしょうか?この妥当性を考えるために、ゼロリスクを求める心理学や本当に人々はゼロリスク志向なのか?について解説します。
リスク比較

異なる種類のリスクを比較してはいけない?~リスク比較の「神話」を検証します~

「異なる種類のリスク比較は受け入れられない」と記されたCovelloらによる「リスク比較のガイドライン」は現在でも大きな影響力を持っています。このガイドラインの「リスク比較ランキング」の検証結果をまとめた論文を紹介します。
リスクコミュニケーション

ニセ情報(デマ・フェイクニュース)対策の心理学:どんな対策が有効か?

ニセ情報(デマ・フェイクニュース)対策の心理学についての最近の研究成果を3つ(誤情報の拡散対策の効果、誤情報を拡散する心理と報酬、心理的予防接種の効果)紹介して、どんなニセ情報対策が有効か?をまとめます。
リスクマネジメント

コンプライアンスその2~農業分野のリスクの例に~

(1)農産物のインターネット通販における無農薬表記、(2)農薬として使用できない除草剤、(3)私有地での無免許運転、を例に、法令違反ではなくてもコンプライアンス的に問題がある行為(法律の目的や社会的背景、倫理規範にそぐわない行為)について整理します。
リスク比較

消防士の発がんリスク:PFASの影響はどのくらい?

消防士の職業曝露に発がん性があることが確認されています。そこで消防士の消防士の発がんリスクを比較します。消防士の殉職のリスクや発がんリスクを比較し、PFASに由来する発がんリスクも別途比較してみました。