リスク比較

身近なリスク

冬のリスクその2:餅による高齢者の窒息死亡事故は近年ようやく減ってきた

冬のリスクと言えばお正月の餅による窒息死亡事故ですが、人口動態統計から冬のリスクを抽出して経年変化を見たところ、高齢者の窒息による死亡リスクは高止まり状態から2010年以降になってようやく減少傾向が見えてきました。高齢者が餅で死ぬのはしょうがないよね、という空気が変化してきたのかもしれません。
身近なリスク

人生選択リスクその1:結婚と結婚相手がリスクと幸福に与える影響

結婚は選択によって人生が大きく変わるリスクがあるという意味で「人生選択リスク」とくくることができます。男女ともに既婚者に比べて未婚のほうが幸福度が下がり、死亡率も増加します。また、より良い結婚相手を追及しても幸福になれるとは言えず、そこそこで満足する姿勢が求められるようです。
化学物質

はちみつやミツバチはどのような農薬で汚染されているのか?

グリホサートという除草剤の成分がはちみつ中から基準値を超えて検出されたことが話題になっています。ただし、そもそもはちみつやミツバチがどのような農薬で汚染されているのかは実際のところあまり知られていません。そこで農薬汚染の実態をまとめ、リスク評価を行いました。
リスク比較

2020年コロナ禍は日本の死亡リスクのトレンドにどのような影響を与えたか?

2020年の人口動態統計の死因別死者数が公開されました。インフルエンや肺炎などの呼吸器系疾患が大きく減少し、交通事故や火災などの不慮の事故も目立って減少しました。時期的には、2020年の前半が特に平年よりも死者数が減少しています。超過死亡数の国際比較についてもみていきます。
リスク比較

農業は危険な職業なのか?リスク比較から見えた農業の死亡リスクのからくり

農業は大変な職業というイメージはあっても、危険な職業というイメージはないかもしれません。ところが、農作業中の事故による死亡リスクは他の職業と比べても非常に高く、しかも経年的に増加しています。業種別の死亡リスクでみても他業種よりも高くなっています。この原因は農家の高齢化にあると考えられます。
リスク比較

リスク比較の手法は示す相手や目的に依存する―相手・目的にあったリスク比較を行うポイント

リスク比較を行う際に重要なことは、まず比較を示す相手と示す目的を整理することです。 どの指標を使うか?どの方法を使うか?どこまで細かくやるか?何と何を比較するか?などは、比較を示す相手や比較を示す目的に大きく依存します。このことを交通事故のリスクを例にして説明していきます。
リスク比較

リスクと不平等:リスクの地域格差をどう表現し、格差をどう解消するか?

都道府県間の健康格差が年々広がっていますが、本記事ではリスクの種類ごとに都道府県格差を表してみました。がん<自殺<肺炎<不慮の事故の順で都道府県間格差が大きくなっているなど、興味深い結果が得られました。また、このような格差をどう扱うかについて、3つの考え方をまとめました。
リスク比較

コロナワクチンのリスクとリターン(ベネフィット)を定量的に比較する

コロナワクチンについての安全性について注目されているところですが、リスクとリターンをきちんと定量的に評価して比較したものは今のところ見あたりません。そこで、分母は揃えてリスクとリターンの比較を試みました。比較は単純ではありませんが、20代と60代の比較ではリスクとリターンの関係が逆転するかもしれません。
幸福

リスクと幸福はどんな関係にあるのか?その5:寿命が短くても幸せな条件

死亡に至らなくても病気などで苦しだ分を考慮したリスク指標として、専門家の判断に基づくDALY等があります。一方で当事者の記憶に基づく苦痛の評価はそれとはかなり違い、「終わり良ければ全て良し」などのバイアスが働きます。幸福度も記憶に基づくものに近く、過去から現在に至る快楽や苦痛の総和とはなっていないようです。
化学物質

珪藻土に混入したアスベストは危険なのか?その2:リスクを計算して比較する

珪藻土バスマット中のアスベストは危険なのかどうかを判断するために発がんリスクを評価しました。ヤスリで削ったり割ってしまった場合でも、もともと存在する自然由来のアスベストの吸入量と比べて二桁以上低くなり、発がんリスクも懸念レベルにないと判断されました。