基準値問題

飲酒(アルコール)のリスクその1:飲酒ガイドラインの男性40g/日・女性20g/日の根拠は謎だらけ

生活習慣病のリスクを高める飲酒量として男性40g/日・女性20g/日という数字を示した飲酒ガイドラインの内容を紹介(実際には飲酒量の基準を示したものではない!)し、男性40g/日・女性20g/日はどこから出てきた数字なのかの謎を解き明かします。
リスク比較

自殺のリスク評価その2:農家の自殺リスクは高いのか?

農家の自殺リスクは高いのか?の検証として、業種別自殺リスクとそれらの経年変化をまとめました。農業は就業者総数に比較して自殺リスクが高いのですがその解釈は単純ではなく、農業という業種の影響、自営業であることの影響、就業者総数の自殺リスクの過小評価など、考慮すべき点が複数あります。
リスク比較

自殺のリスク評価その1:若者ほど増加傾向で高齢者ほど減少傾向

自殺のリスク評価の第1回として、年代別の自殺リスクについてまとめます。自殺リスクはかつては高齢者が多かったのですが、若者ほど増加傾向で高齢者ほど減少傾向となっています。リスク指標として死亡率で見るか、損失余命で見るかでイメージが大きく変わります。
基準値問題

BMIの基準値のからくりその2:BMIと死亡率の関係

BMIと死亡率の関係はU字型のカーブとなり、やせでも肥満でも死亡率が高くなりますが、標準体重(BMI22)よりも多少肥満よりで死亡率が低くなります。肥満の死亡率が低くなる「肥満のパラドックス」とやせの死亡率が高いことについて、いくつかの研究を紹介しながら深掘りしてみます。
基準値問題

BMIの基準値のからくりその1:BMIの起源と標準体重の決め方

線引き問題の一つとして、肥満の指標となるBMI(Body Mass Index)をめぐる基準値問題に着目します。BMIの起源や問題点、肥満の線引き、BMIに代わる指標やメタボ診断の基準などについて整理していきます。BMIの使用には人種・性別・年代・筋肉量・皮下脂肪と内臓脂肪の区別などの考慮に課題や問題があります。
リスク比較

農家はうつ病になりやすいのか?農薬がうつ病の原因なのか?を検証します

農家はうつ病になりやすいのか?を検証するため、米国の質の高い疫学調査における農薬使用とうつ病との関係を調べた結果を紹介し、さらに日本の職業別悩み・ストレス・心の状態のデータから農家のストレス度を比較します。いずれも結果の解釈が難しく注意が必要なことがわかりました。
SNS定点観測

2023年4~2023年9月の「リスク」を分析しました~SNS定点観測結果29~

Google検索履歴やYAHOO!知恵袋、News APIを用いて「リスク」のトレンドを定点調査しています。2023年度上半期(4~9月)の調査結果から、生成AI使用のリスクがさらに注目度を高めたことが示されました。
その他

食品安全では科学的な評価よりもリスクコミュニケーションがボトルネックになってきた

食品安全の世界では、安全性そのものよりも社会の受容性のほうがボトルネックになりつつあります。そのような時代における、リスコミの主戦場となっているSNS対策、コミュニケーションしやすいリスク評価の必要性、政府のリスコミの総合調整役である消費者庁の実際の取り組みについて整理します。
リスク比較

食品関係のリスクを俯瞰する試み:農薬やPFASなどの位置づけはどの辺か?

食品によるリスクの全体像はどのようなもので、どの要因がどのくらい大きいのか?という全体を俯瞰するマクロなアプローチが不足しています。そこで、世界疾病負荷研究のデータを用いて食品関係のリスクを俯瞰します。農薬やPFASなど話題の化学物質の位置付けも併せて示します。
その他

なにかしなくちゃ症候群:効果がある対策よりも目立つ対策が好まれる

リスクは一般的に目に見えにくい性質があるため、リスク低減対策はその効果よりも目立つ、わかりやすい、話題になるなどの対策が好まれる傾向があります。そのような目立つ対策に飛びついてしまう「なにかしなくちゃ症候群」の中で、効果がないことをわかりつつあえて行う「確信犯」の存在に注目します。