• 研究内容や成果の紹介

    Ueda Koji, Nagai Takashi (2021) Relative sensitivity of duckweed Lemna minor and six algae to seven herbicides. Journal of Pesticide Science, 46(3), 267-273
    https://doi.org/10.1584/jpestics.D21-018

    新規論文公開のお知らせです。

    令和2年度から除草剤の生態影響評価にこれまでの藻類(ムレミカヅキモ)に加えて維管束植物としてLemna属のウキクサの試験が必須になりました。そこで、いくつかの作用機作の除草剤を用いてウキクサの毒性試験を行い、これまでに得られている各種藻類の毒性値と比較することで感受性差の解析を行いました。

    ウキクサの試験では6穴マイクロプレートを使用したことがポイントです。上の写真にあるように、マイクロプレート中で問題なく増殖して画像解析で簡単にバイオマスの定量が可能です。これは以前開発した維管束植物の感受性差を把握するための5種同時発芽生長試験法と同じ発想です。
    https://nagaitakashi.net/paper/s48/

    結果として、どの種に感受性が高いかは除草剤により大きく差があり、単独種の試験で生態影響を評価するのは難しいことがわかります。多数の種の試験を簡易に行うことでより効率的でより妥当な生態影響評価が可能です。