• 研究内容や成果の紹介

    Nagai Takashi (2021) Ecological effect assessment by species sensitivity distribution for 38 pesticides with various modes of action. Journal of Pesticide Science, 46(4), 366-372
    https://doi.org/10.1584/jpestics.D21-034

    新規論文公開のお知らせです。

    農薬の生態リスクを定量化する手法である種の感受性分布(species sensitivity distribution, SSD)について、38種の農薬の解析を行った結果を報告した論文です。2016年にも68種の農薬の解析結果を報告しており、その続報となります:

    Nagai Takashi (2016) Ecological effect assessment by species sensitivity distribution for 68 pesticides used in Japanese paddy fields. Journal of Pesticide Science, 41(1), 6-14
    https://doi.org/10.1584/jpestics.D15-056

    また、SSDから計算された予測無影響濃度と環境省が定めている農薬登録基準とを比較しました。多くの農薬でその差は1/10~10倍の範囲内でしたが、3種の農薬については農薬登録基準が影響を過小評価していることが示唆されました

    環境省:水域の生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準
    http://www.env.go.jp/water/sui-kaitei/kijun.html

    今回解析した結果については、いずれ以下のSSDを用いた生態リスク評価ツールでも活用できるようにする予定です。

    【技術マニュアル】農薬の生態リスク評価のための種の感受性分布解析
    https://www.naro.affrc.go.jp/archive/niaes/techdoc/ssd/ssd.html

    複数農薬の累積的生態リスク評価ツール NIAES-CERAP
    https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/laboratory/niaes/manual/079666.html