私が開発した農薬の生態リスク評価ツール「NIAES-CERAP2:水稲作における農薬生態リスクの評価ツール」が農研機構のWEBサイトで公開されました。
NIAES-CERAP2:水稲作における農薬生態リスクの評価ツール
https://agrisk.niaes.naro.go.jp/cerap2_input
種の感受性分布を用いて農薬の生態リスクを定量的に評価する手法に既存の複合影響予測モデルを組み合わせて、 多数の農薬の複合影響を計算できるように新たなリスク評価ツールを開発したものが 「複数農薬の累積的生態リスク評価ツール: NIAES-CERAP (Institute for Agro-Environmental Sciences, NARO ― Cumulative Ecological Risk Assessment of Pesticides)」です。 各農薬の河川水中濃度を入力すると生態リスク評価の結果が表示されます。
https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/laboratory/niaes/manual/079666.html
今回新しく公開したNIAES-CERAP2における改良点は以下の2点です。
1.濃度予測モデルと組み合わせることで濃度の情報を入力する必要がなくなったこと、
2.ユーザーインターフェースをMicrosoft Excelベースからブラウザで使用できるWEBアプリケーションに変更して利便性を向上させたこと
使用する農薬のラベルから使用量や使用方法を入力すると、河川水中予測濃度を計算して生態リスク評価が可能となり、濃度の情報を持っていない場合でも活用できます。
NIAES-CERAP2を使うことで、水稲一作期を通して使用する農薬全体の生態リスクを見える化できます。 さらに、環境保全型の栽培体系に切り替えた場合にその生態リスクがどの程度低減できるかを事前にシミュレーションできます。
生産者や生産者を指導する立場の方、環境保全型農業を推進する自治体などが活用できます。
【技術マニュアル】農薬の生態リスク評価のための種の感受性分布解析
https://www.naro.affrc.go.jp/archive/niaes/techdoc/ssd/ssd.html
農薬使用による水生生物への生態リスクの全国的な変動を見える化 (農研機構プレスリリース 2022年9月)
https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/niaes/154634.html